男子シングルス決勝は、準々決勝で吉田海偉、準決勝で丹羽と全日本タイトルホルダー2人を破って、初ランク入りにして初の決勝まで登り詰めた神の挑戦を、王者水谷がストレートで退け2連覇、7度目の優勝を飾った。
<男子シングルス決勝>
水谷(beacon.LAB) 11-8,11-9,11-6,11-8 神(明治大)
準決勝の丹羽戦同様、神が全球カウンターを狙うような思い切りのいいプレーで4-0とリード。水谷も質の高いボールで対抗するが、神の勢いに押され、4-8とリードを許すが、巧みな台上プレーでチャンスをつくり8-8に。サービスからの展開で確実に2本を取り、水谷が逆転ゲームポイント。最後はバッククロスにフォアハンドをノータッチで決めて水谷が7本連取で11-8。
第2ゲーム、神は相変わらずの思い切りのいいプレーで4-0と序盤リードで進めるも、水谷は中陣からじっくり攻めて4-6から10-6に6点連取で逆転。神の猛攻で9-10十迫るが、バックハンドカウンターをミスして、水谷が11-9で2対0とリード。
第3ゲーム、水谷は緩急をつけた攻撃で神の一本調子なカウンターを防いで自分のペースに。大きなラリーでも主導権を握り11-6と2連覇に王手。
第4ゲーム、後がなくなった神は自分から攻め続け5対3とリード。水谷に1本返されて5-4と1点差に迫られたところで神がタイムアウト。しかし、水谷の集中力の高いプレーにはまったく付け入るすきがなく、水谷が9-5と逆転。10-6とマッチポイントを握ったところで、攻め急ぎミスが出る。神のロングサービスにレシーブミスが出て、神が8-10まで詰め寄るが、最後は水谷がフォア前のボールをストレートにフリックして神のリターンがオーバー。水谷がずば抜けた強さで全日本の頂点に登り詰めた。
■水谷隼のコメント
「今日の準決勝、決勝と4対0で勝つことができて、自分自身非常にびっくりしています。競り合いになることを予想していましたが、僕の方が思い切って攻めることができて相手はやりずらかったと思います。決勝は1ゲーム目、4-8でリードされていたのですが、そこから攻めていって逆転することができ、本当に攻めることは大事なことだなと思いました。
岸川選手には何回も負けていますし、苦手意識がありましたが、スタートダッシュをかけられてそのまま4ゲーム連取することができたので、本当に1ゲーム目が大事だと思いました。
今大会ボールを多メーカーから選べることや、17、18日の照明は選手としてはとてもやりずらかったので、来年以降改善していただければと思います。
オリンピックではいい成績を残せていないので、今後、リオオリンピックでメダルを取って、東京オリンピックに向けて頑張っていきたいです。
去年も全日本で優勝してから1年間いい年になったので、2015年も充実した1年になると思います」
■神巧也のコメント
「水谷さんは世界のトップにいる偉大な先輩ですが、自分も本気で勝ちに行きましたし、格上に勝つには先手必勝で1ゲーム目を取りたかったんですけど、うまくいった部分もありましたが、8-4からサービスとかにちょっとした変化をつけてきて7本連取されてしまって、水谷さんの方が引き出しがたくさんありますし、僕よりも1枚も2枚もうわてだなと思いました。
けがで苦しんだ時期もありましたが、初のランク入りが2位という結果になったので、ここまできたからには優勝したいという気持ちもありましたが、今回得た物を自信にして頑張ります」
詳しい情報は日本卓球協会ホームページに掲載されています。
日本卓球協会:http:/www.jtta.or.jp
全日本卓球(特設サイト):http://japantabletennis.com/zennihon2015/
記録ページ:http://www.jtta.or.jp/AJ/result2014/
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全日本選手権大会の特集は卓球レポート3月号(2月20日発売号)に掲載します。