男子シングルスは、先に行われた水谷と丹羽が3回戦進出を決めた流れに乗りたいところだったが、村松、吉田はともにベテラン選手に敗れての2回戦敗退となった。また、世界ランキング6位のオフチャロフが韓国の李尚洙に敗れるという波乱も起きた。
<男子シングルス2回戦(日本選手関係)>
陳衛星(オーストリア) 3,11,7,5 村松
フレイタス(ポルトガル) 8,-6,4,11,-9,7 吉田
カット対決となった村松対陳衛星は、0-0から回り込み3球目攻撃を見せるなど、攻める気満々の陳衛星が、思い切ったフォアハンドドライブで村松を強襲。8-2と一気に引き離し、第1ゲームを先取。第2ゲームも、村松は自分から攻めるなどして流れを変えようとするがペースがつかめず2-8と大きくリードを許す。しかし、徐々にペースをつかみ始めた村松が10-10まで追いつきジュースに。しかし、陳衛星の思い切りのよいカウンター、3球目攻撃で2ゲーム連取。
第3ゲームも陳衛星のシュート回転のかかったドライブに苦戦を強いられ7-11と後がなくなる。第4ゲーム、村松は攻撃に活路を見いだそうとするが、陳衛星の厳しいボールに対応が中途半端になり、主導権を握れないままストレート負けを喫した。
カットには苦手意識があるという村松に対して、ベテラン43歳の陳衛星は対カットの戦い方を熟知しているという印象を受けた。「経験の差」で片付けてしまうのは乱暴かもしれないが、経験の要素が色濃く反映された一戦となった。
ともに海外リーグで活躍する吉田とフレイタスの対戦は、パワフルなフォアハンドドライブで攻める吉田と中陣からの両ハンドで攻めるフレイタスの戦い。第1ゲームはフレイタスが逆横回転サービスからの展開でリードし先制。第2ゲームは吉田が足を動かしてフォアで攻めて11-6。ドライブの威力では勝る吉田だが、サービス、レシーブ、攻守の切り替えなどの差でフレイタスが流れを握る。第4ゲーム、吉田は10-8から追いつかれると、アンラッキーなポイントもありフレイタスが3対1とリード。吉田は、フットワークとフォアハンドドライブを軸に粘り強く戦い、11-9で第5ゲームを返す。第6ゲームも吉田は威力のあるフォアハンドでフレイタスのバック側を攻めるが、フレイタスが逆横回転サービスからの3球目で決めて、吉田も2回戦で姿を消した。
「フォアハンドが通用することは自信になったが、勝負どころでの点の取り方でフレイタスの方が上だった」と吉田が語ったように、技術よりも戦術の差が明暗を分けたといえるだろう。
今大会の模様は卓球レポート6月号(5月20日発売)に掲載
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世界卓球2015蘇州/公式サイト(中国語/英語):http://www.suzhou2015.org/
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