3月4日、代々木第二体育館(東京)でLIONカップ第21回ジャパントップ12が開催され、全日本選手権大会の上位進出者を含む男女各12人の選手が頂点をかけて激闘を繰り広げた。男子シングルスは上田仁(協和発酵キリン)が初優勝、女子シングルスは石川佳純(全農)が3年ぶり3度目の優勝を果たした。
【男子シングルス】
男子シングルスは上田仁(協和発酵キリン)が予選リーグで、水谷隼(木下グループ)を破る金星を挙げると、準決勝で吉田海偉(Global Athlete Project)を退け、決勝で吉村真晴(名古屋ダイハツ)と3人の全日本チャンピオンを破る快挙で初優勝を飾った。上田は予選から思い切りのよいプレーで、持ち前の安定感に加えて、随所で決定力の高い速攻を見せて社会人王者としての意地を見せた。予選リーグでは、初戦で対戦相手の松平健太(ホリプロ)が試合中の負傷で不戦勝となるアクシデントがあったが、第2試合では水谷を相手に1歩も引かないプレーで、ラリー戦にも強さを見せて3対1とした。
準決勝は上田が得意としているペンホルダーの吉田に思わぬ苦戦を強いられた。吉田は、レシーブとバックハンドに進境を見せ、ベテランらしい穴のないプレーで、コース取りに気を取られる上田を追い詰めたが、最後はバックストレートをうまく攻めた上田が逆転勝ち。決勝でも安定感の高いプレーと精度の高いチキータ、前陣での速い攻めで、吉村の両ハンド攻撃に対抗し、4対2で優勝を決めた。
2位の吉村は、準決勝で全日本で敗れた神巧也(シチズン時計)にリラックスしたプレーでリベンジを果たし、3回目の決勝進出となった。決勝は第2ゲームの3対10から追いついたがジュースをものにできなかったのが響いた。
3位には吉田海偉と神巧也が入賞。吉田は予選で丹羽孝希(明治大)、木造(愛工大名電)にともにストレート勝ち。ベテランらしい懐の深いプレーで若手を退けた。神は予選で張本智和(JOCエリートアカデミー)、吉村和弘(愛知工業大)を破り準決勝へ。準決勝では、全日本で破った吉村に、再びフォアクロスの打ち合いで挑んだが2連勝はならなかった。
【女子シングルス】
女子シングルスは石川佳純が3年ぶり3度目の栄冠をつかんだ。予選で石垣優香(日本生命)、笹尾明日香(横浜隼人高)を破ると、準決勝では、全日本でも準決勝で対戦した佐藤瞳(ミキハウス)と再戦。石川はレシーブ、3球目とラリーの早い段階でフォアハンド強打を浴びせ、佐藤の高い守備力を発揮させずにストレート勝ちを決めた。決勝は、全日本では奮わなかった伊藤美誠(スターツSC)が予選リーグで全日本チャンピオンとなった平野美宇(JOCエリートアカデミー/大原学園)とのライバル対決に打ち勝ち、準決勝では橋本帆乃香(四天王寺高)のカットを容赦のないフォアハンドスマッシュで打ち抜き決勝に進出。決勝でもリスクを負った攻撃で石川から2ゲームを奪ったが、ラリー巧者の石川を破るには至らなかった。石川は懐の深い両ハンドで若手の猛追を振り切って優勝を決めた。
3位には佐藤瞳と橋本帆乃香の2人のカット主戦型の選手が入った。
全日本でも表彰台にのぼった2人が実力を示す形となった。佐藤は予選リーグで、松澤茉里奈(十六銀行)、前田美優(日本生命)をいずれもフルゲームの末にやぶり、勝負強さを見せた。橋本は加藤美優(吉祥寺卓球俱楽部)とフルゲームの接戦となったが、決定力の高いバックハンドスマッシュが勝負どころできまり、準決勝に進出した。
今大会の模様は卓球レポート5月号(4月20日発売)に掲載
今大会の記録は、日本卓球協会のホームページに掲載されています。
日本卓球協会 公式HP:http://www.jtta.or.jp