10月13~15日まで平成29年度全日本卓球選手権大会(団体の部)が福井県・敦賀市総合運動公園体育館で開催された。各カテゴリーの上位チームが一堂に会し覇を競い合う。まさに団体日本一を決める大会。試合は男女とも熾烈で手に汗握る熱戦が展開された。
【男子団体】協和発酵キリンが2年ぶり4度目の優勝!!
男子は協和発酵キリンが激戦を制し優勝を決めた。最終日、準決勝は高校No.1の愛工大名電高との対戦。1番から記録上では残らない5番まですべての試合がゲームオールという大熱戦を展開。決着は4番の平野と木造に委ねられた。最終ゲームは平野が10-4とリードし、熱き試合に終止符が打たれたと思われた。だが、この絶体絶命の中、木造の集中力が研ぎ澄まされ、驚異の6連続得点で同点。木造の精神力の強さを見た。だが、それでも勝利の女神は平野に微笑んだ。極限の戦いの中、勝者の趨勢が揺れ動く団体戦の、いや卓球の醍醐味を感じた。
決勝は日鐵住金物流との対戦。協和発酵キリンは、エースの上田を3番に下げるオーダーで臨んだ。結果は3-0で協和発酵キリンが勝ったが、ここでも2試合がゲームオールにもつれるなど、接戦を制して王座をつかんだ。佐藤監督は優勝後のコメントの中で「優勝ということに執着をもった選手たちということを実感しました」と語った。この意識の高さが終盤の強さ、勝負強さにつながっているのだろう。
2位の日鐵住金物流も準決勝で東京アートとの激戦を制した。中でも藤村がトップで吉田、ラストで張を破る大車輪の活躍。藤村は中後陣からの両ハンドドライブの安定感が光った。決勝は、先に書いたように2試合がゲームオールまでもつれた。決勝の舞台であと1歩の力を出すことの厳しさを感じたことだろう。
ベスト4には激戦を演じた愛工大名電高校と東京アートが入った。
【男子団体】
優勝 協和発酵キリン(東京)
2位 日鐵住金物流(和歌山)
3位 東京アート(東京)、愛工大名電高(愛知)
【女子団体】日立化成が2年ぶりの優勝!!
日立化成は予選リーグでアスモに敗れ2位で決勝トーナメントに進出したが、試合を重ねるに連れ、リズムが良くなり決勝トーナメントで強豪を連破して優勝を果たした。新人の鈴木は安定感のある両ハンド攻撃でエースの活躍で優勝に大きく貢献した。
2位は日本生命。安定した内容で勝ち進んだが決勝では日立化成に主導権を握られ、流れを引き寄せられなかった。3位にアスモと中国電力が入った。
【女子団体】
優勝 日立化成(茨城)
2位 日本生命(大阪)
3位 アスモ(静岡)、中国電力(広島)
この大会は来年度の国体「福井しあわせ元気国体」の卓球競技プレ大会としても位置づけされており、ここから来年の国体開催に向けて、準備が始まる。
なお、大会の記録は日本卓球協会のホームページに掲載されています。
日本卓球協会:http://www.jtta.or.jp
今大会の模様は卓球レポート12月号(11/20発売)に掲載されます。