女子シングルス決勝は伊藤美誠(スターツSC)が平野美宇(JOCエリートアカデミー/大原学園)をゲームカウント4対1で破り、初の全日本チャンピオンに輝いた。
<女子シングルス決勝>
伊藤美誠(スターツSC) 7,9,2,-5,6 平野美宇(JOCエリートアカデミー/大原学園)
これまで互いに切磋琢磨し続けてきた伊藤と平野。ミウミマとしてダブルスを組んで活躍するなど、同世代のトップとして活躍し続けてきた2人。2年前の全日本では準決勝で対戦した2人がついに決勝の舞台で相対する日が来た。
王者として他の選手にマークされながらもゲームオールの接戦を何度も切り抜けてきた平野と準決勝で石川佳純(全農)を快心のプレーで破るなど、好調を維持する伊藤による戦いは第1ゲーム、平野が打球点の早い攻撃で得点するなど7−5とリード。しかし、次のラリーで平野がサービスミスをすると、そこから伊藤が反撃。横回転を入れたレシーブから4球目でフォアハンド強打を決めるなど6連続得点でゲームを先制した。
第2ゲームは序盤で伊藤が4連続得点を挙げるが、平野も0-4から4連続得点で追いつく。伊藤はラリーの中で平野のバックサイドを狙うケースが多く、そこからの展開でラリーを優位に進めて得点を重ねた。10-9と伊藤がゲームポイントを握ったラリーでは平野が伊藤のバックロングへのサービスからオープンになったフォアへ3球目を打ってラリーを優位に進めたが、決め切ることができず、伊藤は平野に打たれても前陣をキープして対応して11-9でゲームを連取した
第3ゲームは勢いに乗った伊藤が序盤から猛攻を仕掛けて一方的な展開に。バック面に表ラバーを使う伊藤だが、回転量のバックハンドドライブで平野のオーバーミスを誘うなど、ゲームを支配して10連続得点。11-2で3ゲームを連取した。
ばん回したい平野は第4ゲーム、伊藤のフォア前のサービスに対してフリック強打など、台上から先に仕掛ける展開でリードを広げた。このゲームではここまで完璧ともいえるプレーを見せてきた伊藤の強打にもミスがでるなど、平野が出足からリードを続けて11-5でゲームを取り返した。
1ゲームを返された伊藤だが、第5ゲームは最初のラリーで強烈なバックハンドドライブで得点すると、中盤からはレシーブがさえわたる。フォア前のサービスに対して横回転レシーブで平野のフォアサイドを厳しく突いてミスを誘うプレーや、バックハンドでフォアクロスにフリックするレシープといった多彩なレシーブで得点を重ねた。レシーブでいい流れをつくれたことでサービスからの展開にも良いリズムが出た伊藤。3球目で回転量の多いバックハンドドライブを決めるなど、最後まで平野に流れを渡さず11-6で勝利して念願の全日本チャンピオンのタイトルを獲得した。
伊藤は、混合ダブルス、女子ダブルスに続く3冠達成。今大会はシングルス、ダブルスともに充実したプレーが光った伊藤。特に表ラバーでのバックハンド強打、回転をかけたドライブとバックハンドの多彩な技術が際立った。昨年12月のワールドツアー・グランドファイナルでは中国選手に敗れた後、目に涙を浮かべ悔しさを見せていた伊藤だが、12月の世界卓球選考会で優勝を果たし、良い状態で挑んだ今大会でも見事、女王の座をつかんだ。
詳しい情報は日本卓球協会ホームページに掲載されています。
日本卓球協会:http:/www.jtta.or.jp
全日本卓球(特設サイト):http://www.japantabletennis.com/zennihon2018
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