女子団体グループリーグ初戦に優勝候補筆頭の中国が登場。インドをストレートで下したが、インドのエース・バトラが王曼昱に肉薄し、会場を沸かせた。
粒高ラバーからの強打で存在感を見せたバトラ
<女子団体第1ステージ>
中国 3-0 インド
◯丁寧 3-0 M.ダス
◯王曼昱 3-0 バトラ
◯陳夢 3-0 パトカル
中国はエースの丁寧がトップ、2番に若手有望株の王曼昱を起用し、3番は陳夢というオーダー。すんなり完勝するかと思われたが、2番の王曼昱がインドのエース・バトラに大苦戦。結果的には王曼昱がバトラをストレートで退けたが、第1、第2ゲームはどちらが勝ってもおかしくない接戦だった。
バトラはバック面に粒高ラバー、フォア面に裏ソフトラバーを貼るシェーク異質型。粒高のボールに対して相手が打ちあぐねたところを叩くという、この戦型のオーソドックスな戦い方なのだが、とにかくバトラの粒高のボールの球足は深くて低い。加えて、フォアハンド強打の精度が異様に高く、時折反転して裏ソフトラバーでバックハンド強打も使う。強打を誇る王曼昱もバトラの粒高のボールに対してつながざるを得ず、ことごとく強打を浴びてしまった。
プラスチックボールになり、張本智和や伊藤美誠のように、フラット系のボールをうまく使う選手の活躍が目立っているが、バトラもその流れに乗っているといえる。バック面に粒高ラバーを貼る選手にとって、バトラのプレースタイルの「仕組み」は大きな指針になるだろう。
シンガポール対スウェーデンは、ラストまでもつれる大激戦になったが、地力に勝るシンガポールが振り切った。
エックホルムが2点を叩き出す
スウェーデンを応援するために多くの観衆が詰めかけた
<女子団体第1ステージ>
シンガポール 3−2 スウェーデン
◯馮天薇 3-1 ベルグストロム
ユ・メンユ 2-3 エックホルム◯
◯リン・エ 3-1 ヨンソン
馮天薇 2-3 エックホルム◯
◯ユ・メンユ 3-1 ベルグストロム
シンガポール対スウェーデンは、地元の大声援をバックにスウェーデンが奮起。エースのエックホルムが強打とロビングを駆使したプレーでユ・メンユと馮天薇を下して2点を叩き出し、ラストまで持ち込むと、ラストのカットのベルグストロムも第1ゲームを先制。金星かと思われたが、そこからユ・メンユが踏ん張って、シンガポールがなんとか振り切った。スウェーデンは敗れはしたが、こらからの戦いに期待を抱かせる内容だった。
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(写真=佐藤孝弘 文=猪瀬健治)