女子シングルス準決勝が行われ、野村(愛み大瑞穂)と塩見(四天王寺)が決勝に勝ち上がった。
◯野村(愛み大瑞穂) 8,10,14 相馬(遊学館)
◯塩見(四天王寺) 8,13,9 高山(札幌大谷)
野村はゆるいボールで相馬を完璧に攻略
思うようにいかない相馬はこの表情
塩見はラリーで勝ち切った
最後の夏に大きく輝いた高山
野村対相馬は、これまで対戦相手をことごとく完封して勝ち上がってきた相馬優勢かと思われたが、野村が見事なカット打ちを見せた。
野村は回転を強くかけると相馬に変化をつけられてしまうので、回転の弱いツッツキやドライブを多用して前後に揺さぶり、相馬がじれて甘くなったボールを両ハンド強打で狙い打つ戦術を徹底。強打が難しい相馬のフォア面の表ソフトラバーを狙ったコース取りも効果的で、スーパールーキーをストレートで下し、野村が決勝へと勝ち進んだ。野村の見事なカット打ちならぬ「相馬打ち」の勝利といえよう。
一方、野村の戦術が見事だったとはいえ、「台が減って緊張し、思うようにプレーできなかった。本当はもっと攻めたかった」と敗戦後、本人が明かしたように、この試合の相馬は簡単なミスが目立った。技術、戦術では優勝ペースだっただけに、精神面での動揺による敗戦は本人にとって悔いが残るだろう。とはいえ、1年生の相馬にとってチャンスはまだ2回ある。来年はさらに成長した姿を見せてくれることを期待したい。
塩見対高山は、各ゲームとも競り合いになったが、塩見が勝負どころで思い切った攻めを見せてストレート勝ちし、決勝進出。
高山は、塩見の厳しい揺さぶりに必死に動いて両ハンドドライブで果敢に攻めたが、一歩及ばなかった。敗れはしたが、宮﨑(四天王寺)、青木(福井商)、中田(愛み大瑞穂)ら強敵を連破して勝ち上がってきた高山の活躍は、今大会の女子シングルスに鮮烈な印象を残した。
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(写真=佐藤孝弘 文=猪瀬健治)