丸善インテックアリーナ大阪(大阪市中央体育館)で開催されている平成30年度全日本選手権大会。4日目は混合ダブルスが決勝まで行われ、森薗政崇/伊藤美誠(岡山リベッツ/スターツSC)が二連覇を果たした。
●混合ダブル決勝の結果
森薗/伊藤(岡山リベッツ/スターツSC )5、−6、10、8 張本/長﨑(JOCエリートアカデミー/JOCエリートアカデミー・大原学園)
優勝までに落としたゲームはわずか1。昨年のオールストレート勝ちでの優勝を計算に入れれば、2年間で落としたゲームはわずか1。完膚なきまでの圧勝。森薗/伊藤の二連覇は、そう言って差し支えないだろう。
卓球のダブルスに限らず、野球やサッカー、ラグビー、バレーボールなどスポーツ全般に言えることだが、関わる人が多くなればなるほど不確定要素が増えるため、思わぬ番狂わせが起きやすい。そんな一般論の中、森薗/伊藤が見せた盤石の強さは、個々のレベルの高さに加え、お互いの連係が完璧だからだろう。
とりわけこのペアの強さは、「まるで男子同士のペアと対戦しているようだった」と敗戦後、張本が振り返ったように、張本の強烈なチキータをなんなく返す伊藤の傑出した技術力はもちろんだが、森薗にあると見る。
伊藤のように自由奔放なタイプと組む場合、相手はもちろんのこと、パートナーまでもが翻弄されてしまうことも少なくないが、森薗は伊藤の創造性豊かなプレーのあとの予測が難しくても、それをカバーしてしまう快足がある。この森薗のカバーリングがあるからこそ、伊藤は張本にさえもプレッシャーをかけられるような質の高いプレーができ、それによってラリーの主導権を握れるのだろう。
推論はさておき、もし、この二人が東京オリンピックの混合ダブルスにエントリーすればどんな歓喜が待っているのか。そんな想像を抑えきれないほど、森薗と伊藤のペアは強かった。
2位の張本/長﨑はお互いがシングルスさながらの前陣での攻撃的なプレーで決勝まで勝ち進んだが、連係で森薗/伊藤に及ばなかった。優勝はならなかったが、組んで日が浅い二人が森薗/伊藤から1ゲームを奪ったことは、二人の技術力が突出していた証左だろう。これから先、二人の連係が練れてくれば末恐ろしいペアになることは間違いない。
●混合ダブルス準決勝の結果
森薗/伊藤(岡山リベッツ/スターツSC ) 6、7、11 田添/浜本(木下グループ)
張本/長﨑(JOCエリートアカデミー/JOCエリートアカデミー・大原学園)12、9、4 上村/阿部(シチズン時計/早稲田大)
3位には田添/浜本、上村/阿部が入った。
田添/浜本は持ち前の攻撃力で森薗/伊藤と果敢に打ち合ったが、変化と速さに押し切られた。
上村/阿部は、阿部の異質バックハンドと上村の強打野コンビネーションで第1、第2ゲームとも競り合うが、要所で張本/長﨑の前陣での厳しい攻めにあい、決勝進出はならなかった。
(文=猪瀬健治 写真=佐藤孝弘)
卓レポツイッターでは大会の速報をお届けしています。
詳しい試合の結果は大会公式サイトでご確認ください。
全日本卓球:http://www.japantabletennis.com/zennihon2019/