世界ジュニア卓球選手権タイ大会が、コラート(タイ)のターミナル21で11月24日より開幕した。大会最終日は各種目準決勝、決勝が行われる。女子シングルス決勝は、陳熠、呉洋晨(ともに中国)を連破して決勝に勝ち進んだ長﨑美柚と、石洵瑶(中国)をストレートでくだし、キム・ウンソン(北朝鮮)を促進ルールで破った小塩遥菜との同士打ちとなった。
<女子シングルス決勝>
長﨑美柚(日本)4,7,5,-8,-5,7 小塩遥菜(日本)
日本選手のみならずJOCエリートアカデミーの先輩後輩でもある2人の同士打ちは、長﨑の攻勢で幕を開けた。見た目ではわからないが、長﨑のボールの回転量、威力が想像以上だったのか、小塩はこれまでは見せたことのないようなミスを連発。長﨑は一発でエースを狙うようなボールは打たずに、ミドルやフォア側にしっかりと回転をかけたボールで攻めて、チャンスボールのみを強打。また、バックカットの変化が大きい小塩を警戒してかフォア側にボールを集めた。小塩はフォア側のボールに対してもバックカットで対応したり、自分から攻撃を仕掛けるなど工夫を凝らすがなかなか通用しない。
長﨑は3対0とリードしたところから価値を意識したか、攻撃にミスが出るように。一方の小塩はカットが安定してきて、2ゲームを返す。
しかし、第6ゲーム、落ち着いて自分のプレーを取り戻した長﨑がしっかり入れるカット打ちを軸に組み立て直し、危なげないプレーで後輩の挑戦を退けた。準々決勝、準決勝と中国選手を相手に我慢のプレーに徹してきた長﨑が、決勝でも自分を律するがごとき我慢のプレーを貫いたかに見えた。これまで長﨑はアグレッシブなプレーによって流れに乗るタイプの選手だったと思うが、今大会では流れに乗らずとも、また、流れを手にするためにアグレッシブにならずとも戦術で勝つという大きな学びを手にしたのではないだろうか。
女子シングルスはこれまで中国選手が独占。長﨑は記念すべき初の日本選手にして、中国以外の選手のタイトルを手にした。
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