2019日本卓球リーグプレーオフJTTLファイナル4が、12月7日(土)〜8日(日)にかけて、徳島県とくぎんトモニアリーナ(徳島市立体育館)で開催。ファイナル4とは、日本リーグ前期・後期の総合成績上位4位チームで年間王者を争う大会で、優勝チームには内閣総理大臣杯が授与される。
女子は、十六銀行が初優勝を果たした。
【女子優勝】十六銀行
【女子決勝のスコア】
十六銀行 3-2 中国電力
安藤みなみ 9,3,-11,-6,-11 宋恵佳◯
◯加藤杏華 -9,-5,6,6,9 成本綾海
山本怜/加藤杏華 -6,9,-4 土田美佳/宋恵佳◯
◯山本怜 -8,9,-5,11,9 土田美佳
◯徳永美子 7,9,10 庄司有貴
女子決勝は、準決勝で日立化成にストレートで快勝した十六銀行と、準決勝でデンソーに3対2で競り勝った中国電力のカードになった。中国電力はデンソーに0対2から逆転勝ちして上がってきたとはいえ、3番以降の盤石の戦いぶりは、かえって中国電力の層の厚さ、底力を際立たせるものだった。
総力で中国電力が優勢と見る中、スタートした決勝は、いきなりその予想が的中する。
十六銀行は、トップの安藤が、苦手の宋に対し、ゲームカウント2対0から逆転負けを喫し、是が非でも取りたかった先制点を失ってしまう。
エースの失点に万事休すかに思えた十六銀行だったが、2番の加藤が流れを大きく変えた。
加藤は、最近目覚ましいほどの安定感と強さを見せている成本に対し、2ゲームを連取されてあとがなくなる。このまま中国電力が王手かと思われた3ゲーム目から、加藤が成本のワイドな揺さぶりに食らいつき、トップの安藤のお返しとばかりに3ゲームを連取して逆転勝利。勝負を振り出しに戻した。
振り出しに戻ったとはいえ、3番ダブルスは日本リーグで無類の強さを誇る土田/宋が山本/加藤を下し、すぐさま中国電力が王手をかける。後半に主軸の土田、上り調子の庄司が控える中国電力のオーダーから勝負あったかに見えたが、ふたたび十六銀行が蘇る。
4番の山本は、土田の快速バックハンド連打に緩急をつけて対応し、五角のラリーを展開。みなが苦しむ土田のバック側にえぐるように曲がってくる横回転サービスに対しても果敢に回り込んでプレッシャーをかけ、山本がゲームオール9本で勝利してラストへたすきをつないだ。
ラストは、準決勝で日立化成のエースでカットの牛嶋を下した徳永と、最近めきめきと力をつけているカットの庄司。どちらが勝つか分からないカードだが、エースが敗れたにも関わらずラストまでつないだ十六銀行の勢いは衰えを知らなかった。徳永はコースをむやみに散らさず、庄司のバックを中心に粘り強く攻める見事なカット打ちでストレート勝利。つたない予想を覆し、十六銀行が見事に初優勝を果たした。
「試合前、記憶に残るような試合をしたいと決意表明しましたが、その通りの試合ができたと思います」と優勝後、会場のファンに向けてコメントした河田靖司監督。河田監督の言葉通り、見通しが二転三転したスリリングな女子決勝は、徳島の卓球ファンにとってひと足早いクリスマスプレゼントになったことだろう。
日立化成は、十六銀行にストレートで破れ、決勝進出ならず。トップでエースの牛嶋星羅が徳永の粘り強いカット打ちの前に破れ、流れをつかみ損ねてしまった。
デンソーは、中国電力に対し、2対0リードから逆転負け。3番の永尾暁子/阿部愛莉のダブルスも競り合い、中国電力にストレート勝ちの芽もあったが、あと1点が遠かった。
取材=猪瀬健治
詳細な記録等は下記リンクでご確認ください。
日本卓球リーグ実業団連盟:https://www.jttl.gr.jp/taikairesult/2019/09/2018-jttl4.php