ノジマTリーグ2020−2021シーズンは男子に続き、女子が開幕。
開幕戦は、前シーズン優勝の日本生命レッドエルフと、前シーズン2位の木下アビエル神奈川が対戦し、ビクトリーマッチ(第5マッチ)にもつれ込む接戦になったが、木下アビエル神奈川が勝利した。
なお、試合は、新型コロナウイルスの感染対策を考慮し、リモートマッチ(無観客)で行われた。
日本生命レッドエルフは、けがで大事を取っている平野美宇を外し、2020年全日本王者の早田ひな、新加入のユ・メンユ、ファイターの森さくらをシングルスに起用するオーダー。
対する木下アビエル神奈川は、ワールドカップ参戦で石川佳純の不在の中、足に不安を抱えている長﨑美柚をダブルスのみに使い、新加入の木村香純を単複に起用するという奇策ともいえるオーダーを組んできた。
第1マッチのダブルスは、日本生命レッドエルフが前田美優と赤江夏星、木下アビエル神奈川は長﨑美柚と木村香純のペアリング。ゲームオールにもつれる接戦になったが、前田の巧みなコース取りと高校生・赤江の思い切った攻めで日本生命ペアが木下ペアを振り切り、日本生命レッドエルフが先制する。
第2マッチは、ユ・メンユ(日本生命レッドエルフ)と木原美悠(木下アビエル神奈川)が対戦。試合は、木原が巻き込みサービスからの速攻で、経験豊富なユ・メンユを寄せ付けず、木下アビエル神奈川がすかさず勝敗をタイに戻した。
第3マッチ、日本生命レッドエルフはエースの早田ひなが登場。一方の木下アビエル神奈川は、木村香純を起用してきた。ダブルスの失点を挽回したい木村は、左右の横回転系サービスがよく効き、全日本チャンプから2ゲームを連取。第3ゲーム、簡単に負けられない早田も声を出して必死に追いすがり、終盤までもつれるが、木村がサービスからの攻撃で競り勝ち、ダブルスの失点を帳消しにして余りある大金星を挙げた。
一方、敗れた早田は、木村のサービスに手こずったことは致し方ないとして、振りや動きがいつもより重そうだったのが気にかかる。
第4マッチ、あとがなくなった日本生命レッドエルフは森さくらに託す。一方、勝ち切りたい木下アビエル神奈川は浜本由惟で勝負をかける。
実力者同士だけに接戦が予想されたが、森が男子顔負けのパワーチキータとあふれる闘志で浜本を3対1で寄せ付けず、勝敗の行方はビクトリーマッチに委ねられた。
泣いても笑っても勝敗が決まるビクトリーマッチ、日本生命レッドエルフは今日の出来から森を起用してくるかと予想したが、早田を持ってきた。一方の木下アビエル神奈川は木原に勝敗を託す。
試合は、木原がサービスからの速攻でリードする展開で進む。底力を見せたかった早田だが、最後までレシーブの調子と動きのキレが戻ることはなく、木原が7本で勝利し、木下アビエル神奈川が大接戦を物にした。
大エースの石川不在に加え、主軸の長﨑が万全ではない中、邱建新監督の采配が光り、昨年覇者の日本生命レッドエルフに競り勝った木下アビエル神奈川。Tリーグ初制覇に向けて、上々の滑り出しと言えるだろう。
一方、惜敗した日本生命レッドエルフにとっては、エースの早田が2失点と振るわず、今後に不安を残す開幕戦になった。
◆木原美悠のコメント
「サードシーズンの初戦から、すごくいいプレーができたのでよかったです。試合がない間、成長しようという日々、自分の課題を必死に練習してきたので、今日の試合で成果を出すことができてよかったです。
(私の)背番号1には今シーズンこそチャンピオンになる、1位になるという思いを込めました。
自分の目標は、自分の出番が回ってきたときは思い切っていいプレーをしてチームの勝利につなげること。チームの目標はチャンピオンになることです。
本日は応援ありがとうございました。明日も明後日も試合があるので、是非ご覧になって楽しんでください。自分も楽しむので、応援よろしくお願いします」
◆邱建新監督のコメント
「木原をビクトリーマッチで使う予定だったので、ダブルスに起用しませんでした。(早田に勝った)木村はすごくよかったですね。私も今シーズンはすごく優勝したいです。いい開幕戦になったので、明日からもまた頑張ります」
<試合結果>
木下アビエル神奈川 3対2 日本生命レッドエルフ
第1マッチ 長﨑美柚/木村香純 -10,9,-8 前田美優/赤江夏星○
第2マッチ ○木原美悠 8,4,5 ユ・メンユ
第3マッチ ○木村香純 7,8,10 早田ひな
第4マッチ 浜本由惟 -5,-4,8,-6 森さくら
第5マッチ ○木原美悠 7 早田ひな
詳しい結果はこちらからhttps://tleague.jp/schedule/detail.php?id=175
(取材=佐藤孝弘/猪瀬健治)