2021年前期日本卓球リーグが、6月23〜27日まで、千葉県浦安市のバルドラール浦安アリーナで開催。なお、大会は、新型コロナウイルスへの感染予防を踏まえ、無観客で行われた。
男子1部は、愛知工業大学が2015年前期リーグ以来、2度目の優勝を果たした。
【優勝 愛知工業大学】
男子1部は、愛知工業大学が実業団の猛者たちを相手に7戦負けなしで、文句なしの優勝を果たした。初戦のリコー戦、続く2戦目のシチズン時計戦とラストまでもつれたが、いずれの試合もラストで1年生の曽根翔が競り勝って切り抜けると、全勝ロードを一気に突っ走った。
2位につけていた日鉄物流ブレイザーズとの最終戦(第7戦)では、仮に0対3のストレートで負ければ逆転される計算だったが、トップから3番のダブルスまで全てフルゲームにもつれ込む打撃戦をいずれも勝ち切り、ストレート勝ちで完全優勝を決めた。
「年下なんで向かっていけるのが大きな強み」と森本監督は若さを勝因に挙げたが、先日行われたアジア選手権大会男子選考合宿で優勝した木造勇人と代表決定まで勝ち上がった曽根、2021年全日本卓球男子シングルス3位の田中佑汰をそろえた布陣は実力者揃いで隙がない。若さや勢いだけでなく、力で勝ち取った完全勝利だといえるだろう。
●愛知工業大学・森本耕平監督のコメント
「嬉しいですね。もちろん出るからには優勝が目標でしたが、7戦全勝とは、もうなかなかできないですね(笑)。
社会人からすれば学生は年下なので、自分たちは気持ちの面でもプレーの面でも思いきってできる。逆に、社会人の方は背負っている物は大きいと思うので、そのあたりは大きかったと思います。
(先週、アジア選手権大会男子選考合宿に出場した木造と曽根は)きついだろうと思い、曽根は最初の頃、ラストで使っていましたが、リコー戦でもシチズン時計戦でも勝ってくれました。また、田中と木造を基本的に2点使いしましたが、彼らも負けることがあるので、誰かが負けたらみんながカバーするという戦い方ができたから勝てたと思います。最終日は、木造が腰に不安があるということで、ダブルスのみに使いました。
来週はインカレ(全日本大学総合選手権大会)があるので、もちろん優勝を目指します。皆さんご存じの通り、(宇田幸矢と戸上隼輔がいる)明治大が強いので、めちゃめちゃ熱い試合になると思います。多くの卓球ファンも見ていると思うので、しびれる試合ができたらいいなと思います。この優勝をはずみにして、良い準備をしてインカレに向かいます」
【2位 東京アート】
2位に入ったのは東京アート。今期からエース格の吉村和弘(岡山リベッツ)が抜け、戦力ダウンが懸念されたが、アジア選手権大会男子選考合宿で3位に入り、日本代表の座に返り咲いた村松雄斗、ベテランの小西海偉、ニューダブルスの上江洲光志/坪井勇磨が奮戦し、常勝軍団としての面目を保った。
【3位 日鉄物流ブレイザーズ】
日鉄物流ブレイザーズは、昨年12月のファイナル4を初制覇した勢いで日本リーグの初優勝を狙ったが、3位に終わった。最終戦で愛知工業大学にストレートで勝てば優勝の芽はあったが、勝負どころで学生チームの鋭い攻めに押し切られ、涙をのんだ。
優勝には届かなかったが、選手たちの鍛え込まれた動きや技を見る限り、悲願を遂げる日は遠くないだろう。
【男子1部の最終順位】
1位:愛知工業大(7勝0敗)
2位:東京アート(5勝2敗)
3位:日鉄物流ブレイザーズ(5勝2敗)
4位:協和キリン(4勝3敗)
5位:シチズン時計(3勝4敗)
6位:日野自動車キングフィッシャーズ(3勝4敗)
7位:クローバー歯科カスピッズ(1勝6敗)
8位:リコー(0勝7敗)
【男子2部優勝 信号器材】
【男子2部の最終順位】
1位:信号器材(8勝0敗)
2位:朝日大(7勝1敗)
3位:関西卓球アカデミー(6勝2敗)
4位:豊田自動織機(4勝4敗)
5位:協和発酵バイオ(4勝4敗)
6位:原田鋼業(3勝5敗)
7位:トヨタ自動車(3勝5敗)
8位:ケアリッツ・アンド・パートナーズ(1勝7敗)
9位:千葉県選抜(0勝8敗)
10位:JR北海道(欠場)
詳しい記録はこちらから
日本卓球リーグ実業団連盟:https://www.jttl.gr.jp/taikairesult/2021/05/2020.php
(取材=猪瀬健治)