11月23〜29日にジョージ R.ブラウン コンベンションセンター(ヒューストン/アメリカ)で世界卓球2021ヒューストン(2021年世界卓球選手権ヒューストン大会ファイナル[個人戦])が開催中。
大会6日目は混合ダブルス準決勝〜決勝、男女ダブルス準決勝、男女シングルス準決勝が行われた。男子シングルスは、樊振東 対 梁靖崑の中国同士打ちと、ボル(ドイツ) 対 モーレゴード(スウェーデン)のヨーロッパ対決となった。
<男子シングルス準決勝>
モーレゴード(スウェーデン) -9,-7,8,6,-11,9,8 ボル(ドイツ)
第2シードの張本智和と第4シードの林昀儒(中華台北)が崩れた、荒れたトーナメントを勝ち進んだのは、けがを抱えた40歳のボルと、スウェーデンの若手19歳のモーレゴードの2人となった。
ボルは前日のジャア(アメリカ)戦で明らかになった脇腹のけがを押してのプレーとなった。ジャア戦と同じように、大きく動かされたり、フォアハンドを大きく振ると傷むぶりを見せた。
そんなボルにやりにくさを感じたのだろう。だが、モーレゴードは多彩な技を駆使してボルを崩した。チキータ全盛の時代にあって、ストップとフリックとツッツキを多用し、ワルドナーを彷彿とさせる、フラットに叩きつけるようなバックハンドを持つかれは、やはり普通の選手ではないと思わざるを得ない。
序盤は遠慮があったか、大人しいプレーをしていたモーレゴードだが、腹を括ったかのように、彼本来のプレーを全身でボルにぶつけ、ヨーロッパに長く君臨した皇帝から引きずり下ろした。
●モーレゴード選手のコメント
「昨日も同じ会場でプレーしましたが、確かに素晴らしかったです。 でも、今日はもっと素晴らしかった。 観客のほとんどが彼(ボル)を応援していましたが、素晴らしい試合ができたので、とても嬉しいです。自分自身、かなり良いプレーができると思っていました。 でも、ここまでではないかもしれませんね。想像以上でした。
ここまで多くの試合で4対3で勝ち、突破することができました。 いいプレーができるだけでなく、すべての運を味方につけるような大会がありますよね。
彼のような良い相手に序盤で負けていても、どうにかして逆転して勝つことができれば、もちろん自信につながりますし、すべての試合で1分1秒を大切にしています。
明日の決勝は、今回の試合をしっかり見て、彼に対して何かいい作戦を立てたいと思います」
<男子シングルス準決勝>
樊振東(中国) 8,-3,8,6,8 梁靖崑(中国)
世界卓球2019ブダペストの男子シングルス4回戦でこの2人は対戦しており、その時は4対2と梁靖崑が勝っているが、樊振東はなんとしても取りたいタイトルだろう。
序盤から全開の攻撃の手を緩めない樊振東に対して、梁靖崑はどこか様子見といった印象を与え、中盤になってやっと自分の得意とするカウンタープレーに徹することができた。
しかし、樊振東はパワーでもスピードでも梁靖崑にまさり、樊振東が脅かされるようなことはなかった。
馬龍、許昕らが退いた今、誰がこのタイトルにふさわしいか。それを決めるのは卓球の神様かもしれない。
▼男子シングルス 決勝
19:00 [30日 10:00(日本時間)]
樊振東(中国) 対 モーレゴード(スウェーデン)
(写真・文=卓球レポート)