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世界卓球2021ヒューストン 男子ダブルス ファルク/K.カールソンが優勝

11月23〜29日にジョージ R.ブラウン コンベンションセンター(ヒューストン/アメリカ)で世界卓球2021ヒューストン(2021年世界卓球選手権ヒューストン大会ファイナル[個人戦])が開催中。
大会最終日は男子ダブルス決勝が行われ、ファルク/K.カールソン(スウェーデン)が‪張禹珍‬/林鐘勳(韓国)を下し、初優勝を果たした。

ファルク(左)/K.カールソンはベンチのパーソンも達成できなかったダブルス王者に

ストップの展開で得点を重ねたスウェーデンペア。K.カールソンのブロックとカウンターも光った

‪張禹珍‬(右)/林鐘勳も随所に見せ場をつくったが、優勝にはわずかに届かなかった

初出場で3位に入った宇田幸矢(右)/戸上隼輔。ここからが本当のスタートだ

<男子ダブルス決勝>
ファルク/K.カールソン(スウェーデン) 8.13,-11,10 張禹珍/林鐘勳(韓国)

 準々決勝で樊振東/王楚欽(中国)、準決勝で林高遠/梁靖崑(中国)というもっとも厳しいパートを勝ち上がってきたのだから優勝は不思議なことではない。
 ファルク/K.カールソンは、決勝でも戦い方を変えることはなかった。ストップ対ストップから、ファルクのフォア面の表ラバーで変化をつけてミスを誘う。ラリーになればファルクのフォアハンドでチャンスメークして、サウスポーのK.カールソンが厳しいコースに決める。
 特に決勝で素晴らしかったのはK.カールソンのバックハンドブロックとカウンターだ。相手が決まったかと思うようなボールを早い打球点で厳しいコースに伸ばして返球するため、相手はほとんど反応できない。
 チキータレシーブから始まる卓球とは大きく異なる戦い方だが、彼らが世界一になったことで、「持っている技術で勝つ」という戦術は今一度見直されるようになるだろう。
 スウェーデンが男子ダブルスのタイトルを最後に手にしたのは、91年千葉大会のカールソン/フォン・シェーレにさかのぼる。ファルクとカールソンが生まれるよりも前だ。さらに、中国が決勝に残らなかったのは89年のドルトムント大会(決勝はロスコフ/フェッツナー 対 カリニッチ/クハルスキー)以来のこととなる。
 たまたま今回だけなのか、今までとは異なる時代の始まりなのか、中国一強は今大会に限ってはその牙城が崩されたと言える。

 一方、優勝には届かなかった‪張禹珍‬/林鐘勳だが、どのゲームも競り合いになったた、次に戦術を変えて臨めば結果はまったく違うものになったかもしれない。2人の連続攻撃が決勝であまり見られなかったのは残念だが、それを封じられたからこそのスウェーデンペアの優勝なのだろう。
 3位に入った日本の宇田/戸上も初出場ながらアジア王者として今大会に臨み、優勝を狙ったが、アジア選手権大会2位の‪張禹珍‬/林鐘勳にリベンジを許した。スウェーデンペアとはまったく異なる現代卓球の最先端のような彼らのプレーを決勝で見られなかったのは残念だが、世界卓球は、特に若い選手にとっては、そこでの経験が彼らをより強くして、再びこの場所でその力を披露できるような場であり続けてほしい。

(写真・文=卓球レポート)

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