2022年(令和3年度)全日本卓球選手権大会(一般・ジュニアの部)が1月24日から30日まで東京体育館で開催される。
大会最終日は男子シングルス決勝が行われ、 戸上隼輔(明治大)が松平健太(ファースト)をゲームカウント4対2で下し、初優勝を果たした。
▼男子シングルス決勝の結果
戸上隼輔(明治大) 9, -10,7,-8,6,6 松平健太(ファースト)
戸上隼輔(明治大)対松平健太(ファースト)の男子シングルス決勝は、卓球の醍醐味が詰まった素晴らしい試合になった。
試合が始まると、第1ゲームはシーソーゲームの末、戸上が先制するが、第2ゲームは逆転で松平が奪い返す。
戸上が両ハンドを叩き込めば、松平が抜群のボールタッチで台上から主導権を握る。試合は、戸上の「剛」と松平の「柔」が鮮やかなコントラストを描きながらゲームカウント2対2まで競り合いながら進んだが、第5ゲームの中盤から戸上が抜け出すと、続く第6ゲームも強烈な両ハンドを叩き込んで松平を引き離し、宇田幸矢(明治大)と組んで優勝した男子ダブルスに続いて二冠を達成した。
昨年は、新型コロナウイルス感染者の濃厚接触者と判定され、棄権を余儀なくされた戸上だったが、その悔しさを一気に晴らす優勝となった。
優勝インタビューで「自分が日本を引っ張っていく」と宣言した戸上。観衆があっけに取られるような脅威の両ハンドで優勝まで突っ走った今回の全日本は、その大きな一歩目になるだろう。
一方、2009年以来、13年ぶりに決勝に進出した松平は悲願の優勝を目指したが、戸上の威力に屈した。勝利はならなかったが、天才的なボールタッチで最先端のプレースタイルともいえる戸上に迫り、健在ぶりを大いにアピールした。
■戸上隼輔選手の優勝インタビュー
ー男子シングルス新チャンピオン誕生です、おめでとうございます!優勝を決めたポイントも戸上さんらしい強打でした。あのポイントが決まった瞬間、どんな想いが巡りましたか?
逆転されてしまうんじゃないかという不安もあって、とにかく必死に、このポイントで終わらせてやろうという気持ちでずっと連打していたんですけど、なかなか決まらなくて。最後、決まって良かったです。
ー決勝の相手は変化が多彩な松平選手ということで、どんなことを感じながらプレーしていましたか?
1球1球集中して自分のプレーができれば結果に結びつくと思っていたので、それが良い方向にいったと思います。
ー第2ゲームは松平選手に中盤から追い上げられて逆転を許しました。修正できたのは、どのあたりが良かったのですか?
あれだけ大差の中から逆転されてしまって、結構心も揺らいでしまったんですけれど、でも、もう一度リセットして頑張ろうと思いました。
ー去年は出場できず、悔しい思いをぶつけたいというお話もありました。今日は思いをぶつけられましたか?
はい。
ーそして、戸上選手は今大会、本当に何度も観客の皆さんを沸かせるようなすごいショットを決めてきました。ご自身でこの攻撃的なプレースタイルの手応えはいかがでしょうか?
世界選手権から少し時間が経って、今回、全日本に向けてパワーアップできたという実感もあって、すごい強くなったなと自分の中で思っています。
ー準決勝では丹羽選手、そして決勝では松平選手というリターン力のある選手を打ち破っての優勝です。このあたりの手ごたえはどうでしょうか?
格上の選手だと思ってプレーして勝利ができたということは、すごくうれしいですし、今後につながっていくと思います。
ー去年の東京オリンピックを最後に水谷隼さんが引退されて、次のパリに向けて戸上選手にかかる期待も大きいかと思います。最後に、これからの抱負を聞かせてください。
水谷選手がいなくなってしまって、僕はそれを1つ枠が空いたとプラスに捉えていて、パリは自分が引っ張りたいという、日本を背負う覚悟を持っていますので、張本選手や宇田選手などいろいろ選手はいますが、自分が引っ張てやろうという強い気持ちを持って、これから頑張っていこうと思います。
ー会場には、水谷さんがいらっしゃってます。伝えることは何かありますか?
いっぱい言いたいことはあるんですけど、でもまぁ、控えておきます(笑)
ーありがとうございました!
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詳しい試合の結果は大会公式サイトでご確認ください。
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