女子シングルス6回戦で前回優勝の石川佳純(全農)を下し、準決勝まで勝ち上がった加藤美優(日本ペイントマレッツ)。準決勝では、早田ひな(日本生命)とゲームオールにもつれ込む大激戦を演じるも、最後は力尽きた。もう一歩のところで決勝進出を逃した加藤だったが、その渾身のプレーは観る者の胸を打った。
ここでは、女子シングルス準決勝後に行われた加藤のインタビューを紹介する。
ー気持ちのこもった熱い試合でした。試合を終えて、今の率直なお気持ちはいかがですか?
競った場面で気持ちの弱い部分が出てしまったなと思っています。
ー弱気になってしまったというのは、どういった部分でしょうか?
レシーブにちょっと力が入ってしまって、そこから流れが一気に悪くなってしまったと思っています。ちょっと力んでしまった。
ー途中で肩が痛そうなシーンがありましたが、影響はいかがでしたか?
(ネットインのボールに飛びついて)膝もすりむいてしまって、肩も10月のTリーグで痛めて、そこから2カ月くらい結構痛かったんですけど、その時と全く同じような感じで手をばっとついてしまって、ちょっと焦りました。
ー客席の間隔が空き、照明の関係でプレーが難しそうでしたが、どのように受け止めて戦われていたのでしょうか
特に影響はなかったんですけど、途中で光がまぶしい透明のプラスチックの板があって、それを(審判に)言ったんですけどなかなか伝わらなくて......。試合を中断させてしまって申し訳なかったです。
ー石川選手にも勝ってベスト4まで来たというところで、大会全体を振り返ってご自身でどのように評価されていますか?
昨日まではすごく良い試合ができたと思います。今日の試合は本当に良くなかったと思っていて、最後に自分の良いところを出したかったんですけど、今日の試合は本当に良くない試合だったかなって思っています。
ー今回の経験を今後にどのように生かしていきたいですか?
全部精神的な問題で負けているのかなと思っているので、去年、一昨年は結構休養していた時もあって、そこからだいぶ前向きな気持ちにはなれているので、今日の負けにそんなに落ち込まないようにして、また練習を頑張りたいと思います。
ー良くなっているところとは具体的にどんなところですか?
最後の試合は本当に良くなかったと思っているんですけど、それ以外の試合では動ける範囲もだいぶ広がっていますし、サービスも良くなっていると思います。
ー前向きな気持ちになれている要因は何でしょうか?
この2カ月間、邱(邱建新)コーチに見てもらったというのがあると思います。今まで、あまりコーチに教わっていなかったので、周りの選手はみんなコーチいるのに自分だけいないみたいな感じでした。そうなってしまうとモチベーションもなかなか上がらなかったので、そこの環境の変化があって良かったなって思います。
ー邱コーチが引き出している部分はどこでしょうか?
うーん、邱さんに言われていることをやっているのでなんとも(笑)。でも、「回転をかけてラリーをしなさい」というのはすごく言われていて、そのおかげで安定したプレーが途中まではできていたかなと思います。
ー3月からパリ五輪の選考が始まっていきますが、どのように捉えていますか?
技術自体は悪くなかったと、昨日までの試合で思っているので、良くなっているところも多いので前向きに頑張っていきたいです。
(まとめ=卓球レポート)