第72回全日本実業団卓球選手権大会が、6月30〜7月3日まで、徳島県鳴門市のアミノバリューホール(鳴門県民体育館)で開催。同大会は、文字通り実業団チームの日本一を決める大会で、昨年、一昨年はコロナ禍で中止となり、3年ぶりの開催となる。
大会最終日は女子団体の準決勝から決勝までが行われ、中国電力(広島)が初優勝を果たした。
【優勝 中国電力】
【準決勝の結果】
中国電力 3-1 鹿児島相互信用金庫
成本 -5,4,-8,-11 田中○
○中森 3,8,5 柴田
○成本/井 4,6 中村/田中
○井 -9,-11,7,9,16 中村
木村 - 中原
昭和電工マテリアルズ 3-0 NTT東日本 東京
○牛嶋 5,5,8 鈴木
○奥下 1,-4,8,6 小室
○奥下/山本 10,-6,9 小室/柴田
田口 - 柴田
平 - 宇田
【決勝の結果】
中国電力 3-2 昭和電工マテリアルズ
○成本 9,-10,4,-9,5 田口
木村 4,-11,-6,-10 牛嶋○
○成本/井 1,-7,7 奥下/山本
井 -4,-9,7,-9 奥下○
○中森 13,12,8 平
女子は、中国電力と昭和電工マテリアルズが決勝を争い、中国電力が3対2で競り勝ち、優勝を果たした。
1番は中国電力のキャプテン・成本綾海が、昭和電工マテリアルズの田口瑛美子との前陣変化速攻対決にゲームオールで競り勝ち、先制。2番は全日本ベスト8の木村光歩が牛嶋星羅のカットにつかまってタイに戻されるが、3番の成本/井絢乃が奥下茜里/山本笙子に勝利し、王手をかける。
4番の成長目覚ましい井で決めたかった中国電力だったが、井が奥下のフォア表からの速攻につかまり、勝敗はラストの中森帆南と平真由香に託された。
4番、5番は2台進行で行われ、先に4番が終了したため、社会人ルーキーの中森にプレッシャーがかかるかと思われたが、「動じないのがすごい」と中国電力・和田圭輔コーチが舌を巻く強心臓ぶりを発揮。中森は、各ゲームとも競り合いながらも要所で得点を渡さない堂々かつ冷静なプレーで実力者の平にストレートで勝利し、中国電力の全日本実業団初優勝を決めた。
前期日本リーグ和歌山大会優勝のサンリツや、同5位のデンソーら強力なライバルたちが棄権する中、気持ちをつくるのが難しい試合もあったかと思うが、それでも優勝するところに中国電力の底力がうかがえた。
■中国電力・和田圭輔コーチのコメント
「優勝できたのは嬉しいです。(棄権する有力チームが多かった中)予想していたチームとの対戦とは違いましたが、そうした中でしっかり勝ちきることができてほっとしてもいます。
(競り合いになった準決勝の鹿児島相互信用金庫戦は)普段対戦したことがないですし、向かってこられました。受け身になる場面が多かったので課題をもらった試合でした。
決勝のオーダーはほぼ外れました(笑)。当たりたい相手に当てられなかった。正直、去年より戦力は落ちるのでオーダーも読まれやすくなってはいるとは思いますが、その中で自分たちのやるべきことを貫き通して勝てたことは評価したいと思います。
(決勝5番で勝利した中森は)強豪の四天王寺で鍛えられただけあって、前期日本リーグ和歌山大会最終戦のサンリツ戦でも5番で勝つなど、あまり動じないのがすごい。(中森の加入で)オーダーの幅が広がったと思います。
前期日本リーグはなんとしても優勝と挑んで3位に終わり、実業団は取りに行くぞということで優勝できたので、会社には嬉しい報告ができます。ありがとうございました」
【2位 昭和電工マテリアルズ】
【3位 鹿児島相互信用金庫】
【3位 NTT東日本 東京】
2位は昭和電工マテリアルズ。中国電力との決勝では、牛嶋と奥下が勝ち点を挙げたが、要の3番ダブルス・奥下/山本がゲームオールで競り負け、優勝にわずかに届かなかった。優勝はならなかったが、井に見事な速攻で勝利した奥下や奥下/山本の健闘など、収穫は多かったことだろう。
3位の鹿児島相互信用金庫は、準決勝の中国電力戦で田中咲子が成本に勝利し、カットの中村真優美も井を追い詰めるなど、優勝した中国電力を大いに慌てさせた。
もう一方の3位は、NTT東日本 東京。準々決勝では豊田自動織機に競り勝ったが、昭和電工マテリアルズには0対3のストレートで敗れた。
詳しい記録はこちらから
日本卓球協会内大会サイト:https://jtta.or.jp/tour/5760
(取材=猪瀬健治)