史上最年少優勝記録の更新を感じさせる勢いで決勝まで勝ち進んだ張本美和(木下アカデミー)だったが、早田ひな(日本生命)の厚い壁に阻まれた。偉業達成とはならなかったが、中学3年生とは思えない張本の堂々たるプレーに、多くの卓球ファンが驚嘆と大きな希望を感じたことだろう。
ここでは、女子シングルス決勝直後、完敗を認め、さらなる精進を誓う張本のコメントを紹介する。
--決勝を振り返っていかがですか?
今は決勝が終わったばかりなので悔しい気持ちしかないですけど、まさか自分がこの決勝の舞台まで来られるとは思っていませんでした。全日本が始まったときは全然想像していなかったので、ここまで来ることができてうれしいですけど、決勝で早田選手の壁を壊せなかったのは、まだまだ足りないところなんだなと思いました。
--今大会へはどのような思いで臨みましたか?
昨年、国際大会でたくさんの経験を積ませていただいて、経験を積んだ分、自分でもいけるんじゃないかという自信にもなってきて、大会前から優勝を目指して頑張ってきました。去年は実力でいうと本当に全然及びませんでしたが、今年は、昨年伸びたことで本当に自信があった大会だったので、ここまで来られてうれしい反面、悔しい気持ちもあります。
--早田選手には昨年11月の選考会では勝ちましたが、今回と何が違いましたか?
正直、勝った時は特に私が何かが良かったというより、その日ハマったという感じだったので、たまたまと言ったらおかしいですけど、その日にもう1回(早田と)試合をしていたら勝てるかどうかって言われたら分からなかったです。元々の実力が早田選手は本当に私より強いので、今日も及ばなかったですし、違いというより、差がもっと表れた感じです。
--早田選手は張本選手のフォア側を攻めてきましたね。
自分はフォアよりバックの方が多分得意というか、そういうことを早田選手も分かっていると思うので、フォア側だったりミドルを攻めてきました。自分も、勝った時も負けた時も全部そういう戦術でやられていたので、準備はもちろんしていたんですけど、やっぱり質が高かったり、コースがすごくサイドを切るコースとか、本当に自分が届かない場所だったので、まだまだ自分の練習不足だなというのがありますね。
--1ゲーム目についてはいかがですか?
やっぱり1ゲーム目を取れなかったのは一番大きいですし、取ったら何か変わったかもしれないです。逆に、1ゲーム目を取っていたとしても、4ゲームを取られるかもしれませんが、1ゲーム目を取れなかったというのは今となっては悔しいです。
--準優勝という結果についてはいかがですか?
まずは、ここまで私1人の力ではなかったので、普段支えてくださっている方々に感謝したいですし、この舞台で戦えたからこそ得られたものもたくさんあったので、また帰って自分をもっともっと強くして次の試合まで準備したいと思います。
--パリオリンピックへの3枠目についてはどうですか?
もちろん出たい気持ちは変わらずありますけど、私がどうこうできる問題ではないので、この全日本にはパリ五輪の選考ががなくても優勝目指して頑張ってきたので、これからどうなるか私は分からないですし、待つしかできないです。
でも、最初だったらこんな悔しい思いは今はしなかったです。私は本当に下の方だったので、今は逆に4位まで上がることができて良かったと思いますし、この選考で強くなれたと思います。ありがとうございました。
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