第58回世界卓球選手権団体戦が、韓国の釜山で2月16〜25日にかけて開催される。
大会7日目の2月22日(木)は男子団体準々決勝が行われ、日本は中国にストレートで敗れて2大会連続のメダルはならなかった。
※写真は1番で勝利した樊振東(中国)
▼男子決勝トーナメント準々決勝
中国 3-0 日本
○樊振東 3(-11,10,10,6)1 松島輝空
○王楚欽 3(-8,2,7,6)1 張本智和
○馬龍 3(9,5,-9,8)1 篠塚大登
樊振東 - 張本智和
王楚欽 - 松島輝空
日本は中国に敗れ、メダル獲得はならなかったが、今後に大いに期待を抱かせる戦い振りを見せてくれた。
まずは、1番で2点使いに抜擢された松島輝空が樊振東を相手に堂々たるプレーを展開。「最初は少し緊張したんですけど、だんだん楽しくなってきて、最後、競った一本が怖くなってしまって負けたんですが、実力以上のプレーができたと思います」という松島が第1ゲームは7-10とリードされたところからチキータを利かせて逆転で先取すると、第2ゲームは6-10からジュースに追い付き、樊振東を焦らせる。しかし、樊振東がスーパーラリーを制し、チキータも決めて第2ゲームを奪うと、続く第3、第4ゲームも連取して松島を振り切り、中国に先制点をもたらした。
惜しくも勝利とはならなかったが、威力のあるサービスとチキータで樊振東を大いに苦しめた松島。戦い方も、若さに任せて果敢に攻めるだけでなく、難しいときはしっかりつなぐ落ち着きも非凡で、世界中にそのポテンシャルの高さを見せつける一戦になったといえる。
続く2番の張本智和は、前回勝利した王楚欽と対戦。ここまでの好調ぶりを裏付けるようなプレーで第1ゲームを先制したが、「2年前と比べてサービス、レシーブが完璧で付け入る隙がなかった」と張本が脱帽したように、第2ゲームからの王楚欽がすごかった。サービスからの3球目、レシーブでの強烈なチキータを布石に使ったストップやツッツキからの4球目に加え、多彩なバックハンドと先輩の許昕(中国)を思わせるような強烈なフォアハンドドライブで張本を攻め立て、3ゲームを連取して中国が王手をかける。
一方、第2ゲーム以降はなかなか打開策を見いだせなかった張本だが、「差を感じたのでサービス、レシーブで先手を取れるよう練習していきたい」と敗戦をきちんと受け止め、さらなる成長を誓った。
なんとか1点返したい日本は、3番で篠塚大登が馬龍と対戦。ロングサービスから思い切ったプレーで馬龍に挑むも2ゲームを連取されたが、「3ゲーム目からそんなに無理しなくても(馬龍が)ラリーしてくれることに気づいた」という篠塚が、馬龍を相手にラリーで打ち勝って第3ゲームを奪う。第4ゲームも馬龍と最後まで一進一退で競り合う健闘を見せたが、惜しくも競り負け、日本の敗戦が決まった。
ストレートで敗れはしたが、「すごく良い試合ができたと思います。最後まであきらめずに堂々と戦ってくれました。若いメンバーでしたが、今後、非常に楽しみな選手がそろってきたなと。後ろで見ていたら、あと数年したら面白い、中国に勝てるんじゃないかなという可能性を示してくれるような試合内容でした」と田㔟監督が言うように、中国を大いに慌てさせ、最強王国の全力を引き出した日本。
前回のリベンジと2大会連続のメダル獲得はならなかったが、将来つかむであろう栄光のターニングポイントとして語られる試合に立ち会えたと信じたい。
一方で、世界卓球11連覇を目指す中国は、やはり強かった。これだけ日本が向かっていって攻め立てても失点しない技術力の高さと気持ちの強さは盤石で、今の中国から3点を奪うのは極めて難しいことを再認識させられる試合だった。
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(まとめ=卓球レポート)