第58回世界卓球選手権団体戦が、韓国の釜山で2月16〜25日にかけて開催される。
大会7日目の2月23日(金)は男子団体準々決勝2試合が行われ、予選2位通過の中華台北がドイツを3対0で破り、2014年東京大会以来、10年ぶりのメダル獲得を決めた。
※写真は荘智淵(中華台北)
▼男子決勝トーナメント準々決勝
中華台北 3-0 ドイツ
○荘智淵 3(8,-6,1,-8,9)2 ダン・チウ
○林昀儒 3(-9,-8,9,9,9)2 オフチャロフ
○高承睿 3(-9,14,9,9)1 フランチスカ
林昀儒 - ダン・チウ
荘智淵 - オフチャロフ
前回、林昀儒を欠き成都大会では予選リーグを突破できずに終わった中華台北だが、林昀儒をエースとする今大会はベストメンバーで臨んでいる。一方のドイツは、成都大会では、ダン・チウ、ドゥダ、シュトゥンパーという若手主力のメンバーで臨み、決勝に進出しているが、今回は、ダン・チウにオフチャロフ、フランチスカという主力を加えてパワーアップしている。
トップは中華台北が大ベテランの荘智淵を起用。ドイツはダン・チウをエースとして起用。ラリーはダン・チウが先手を握るも、42歳の荘智淵が驚異的な動きと粘りでダン・チウのボールに中陣で食らいつき優勢に試合を運ぶ。ダン・チウもギアを上げて、鋭い両ハンドで攻め込み、2対2に。最終ゲームは荘智淵がその長いキャリアで最も輝いているといってもいいパフォーマンスでダン・チウを圧倒し、中華台北が相手エースから値千金の先制点をゲット。
2番は東京オリンピックの銅メダル決定戦と同じ好カードとなった(この時は4対3でオフチャロフが勝利している)。試合は前陣で攻める林昀儒に対して、中陣から反撃するオフチャロフという構図で進むが、これまでの試合では決まっていた林昀儒のボールをオフチャロフはフルスイングの両ハンドで打ち返してくる。林昀儒も根気強く攻めるが、第1ゲームは中陣カウンターで上回ったオフチャロフが先制。
第2ゲーム、前陣での攻撃のギアを一段上げた林昀儒だが、リスクを負ったのが裏目に出て、競り合いを落とし、オフチャロフが2対0とリード。
完全に虚を突かれた林昀儒は第3ゲーム序盤、ミスが出たオフチャロフからリードを奪うが、ここまで決定打を返し続けられた記憶から、強打を力んでミスを連発。オフチャロフが9-9と追い付くが、高い集中力で攻め続けた林昀儒が2本連取して1ゲーム取り返す。
第4ゲームは前陣での攻撃に緩急を交えた林昀儒がオフチャロフのミスを誘いリード。林昀儒が序盤6-3とリードするが、オフチャロフが粘り強く中陣から応戦して6-6に。ここから林昀儒が3球目攻撃などで得点を重ねて11-9で林昀儒が取り返す。
最終ゲーム、一進一退の攻防は続くが、台から下がり気味でプレーする林昀儒が中陣でのラリーでも互角以上のプレーでリード。しかし、シンプルなバックサービスから強打に結びつけたオフチャロフが7-7に追い付くと、今度は決めきれないオフチャロフがラリーで打ち負け7-9とリードを許す。最後は、10-8と先にゲームポイントを奪った林昀儒が逃げ切る形で勝負を決めた。
あとがなくなったドイツだが、フランチスカは先月のWTTコンテンダー ドーハで高承睿に敗れている(1回戦でスコアは1対3)。ラリー序盤の早い攻めでは高承睿が有利、大きなラリーになるとパワーのあるフランチスカが有利という構図で、ラリーに持ち込んだフランチスカが先制。
第2ゲームは高承睿が台上から攻めてリードするが、終盤でミスが出て、9-5から9-8と追い上げられたところでタイムアウト。フランチスカが球威のあるつなぎのボールでミスを誘い、ジュースに追い付くと、今度は14-13とリードしたところでドイツがタイムアウト。最後は高承睿がロングサービスでエースを奪い1対1に。
第3ゲームは前陣でプレーする高承睿のフォアストレートが冴えて8-4とリード。しかし、ここからフランチスカが粘り強い守備で8-8に追い付くが、高承睿がサービスエース2本でゲームポイント。強気で攻めきった高承睿が11-9として、高承睿が王手。
第4ゲームも一進一退の攻防が続くが、8-8から高承睿が強気の攻めで10-8とマッチポイントを握る。最後はフランチスカが高承睿の下回転サービスをストップしてネットにかけて、中華台北が3対0というスコアで強豪ドイツを破り準決勝に駒を進めた。
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詳細な記録は下記サイトでご確認ください。
WTT:https://worldtabletennis.com/teamseventInfo?eventId=2751
(まとめ=卓球レポート)