デンソー2024年前期日本卓球リーグ静岡大会が、5月22〜26日まで、静岡県浜松市の浜松アリーナで開催。
大会最終日は女子1部の第6戦、第7戦(最終戦)が行われ、中国電力ライシスが7戦全勝で優勝を果たした。
【優勝 中国電力ライシス】
女子1部は、中国電力が7戦負けなしで優勝し、2023年後期リーグ愛媛大会に続いて連覇を達成した。
全勝優勝とはいえ、試合内容は紙一重だった。
5勝1敗で2位につけていたデンソーとの最終戦は、1番で中森帆南が野村萌に、2番で井絢乃が赤江夏星に敗れ、あとがなくなる苦しい展開。しかし、3番ダブルスで木村光歩/枝廣瞳が小畑美月/菅澤柚花里に競り勝って望みをつなぐと2台進行で行われた4番、5番は先に5番で木村が菅澤に勝利し、勝敗の行方は枝廣対中田玲奈の4番にゆだねられた。
勝った方が優勝というしびれる状況の中、第1、第2ゲームは枝廣が中田のカットを丁寧に攻略して王手をかけたが、第3、第4ゲームは中田が粘り強いカットで取り返す。日本リーグの独自ルールでカウント6−6から始まる最終ゲームは1本の意味合いがことのほか重くなるが、枝廣が中田のカットを思い切って打って序盤から抜け出し、一気に勝利して中国電力ライシスの連覇を決めた。
長年にわたって中国電力ライシスの常勝を支えてきた成本綾海が2023年後期リーグ限りで抜け、新たな編成で前期リーグに臨んだ中国電力ライシスだが、「(成本の代わりになる可能性を秘めた選手が)何人も出てきてくれた」と伊藤春美監督が目を細めたように、出場した選手全員が「自分が中国電力ライシスを引っ張る!」といわんばかりの集中したプレーを見せ、全勝を守った。
■中国電力ライシス・伊藤春美監督のコメント
「今まで後期しか優勝したことがなく、前期が弱かったので、今回は狙いに行こうということで全員で準備してきました。今回は凡ミスも少なかったですし、ボールを床に落ちるまで追いかける姿が多かったので、しつこく相手に嫌がられるまでできたところが、1本を大事にしたというところが大きかったと思います。
成本がいなくなって弱くなったと言われるのが一番嫌でした。これまでもそうなんですが、卒業生がいなくなっても、そういう意識を持ってやってくれる子が増えれば、代わりになれる子(成本のような柱になる選手)が出てくるので、今回見たら代わりになる子が何人も出てきていたのが分かったので、これは一つ自信になりました。
(デンソー戦4番の枝廣対中田は)2-0になった時は正直いけると思っていたので、あそこまで競るとは思いませんでした。枝廣も(中田の)カットの変化が分からないと最後まで言っていたんですが、どうにかボールをコートに入れようとしていた姿が後ろからでも分かりました。また、隣で(5番の)木村が良い試合をしてくれていたので、枝廣も思いきってできたんじゃないかなと思います。
前期後期の優勝というのは今回初めての試みになると思いますので、しっかりと(後期リーグ優勝に向けて)準備していきたいと思います」
【2位 サンリツ】
【3位 デンソー】
2位は6勝1敗でサンリツ。1敗の中国電力ライシス戦は、1対1で迎えた3番のダブルスを取って王手をかけたが、4番で塩見真希が枝廣に、5番で梅村優香が中森帆南にともにストレートで敗れ、優勝に届かなかった。
3位にはデンソー。最終戦の中国電力ライシス戦に勝てば得失率で優勝という状況の中、1番の野村、2番の赤江が勝利し、3番の小畑/菅澤も1ゲームを先取して王手をかけたが、そこから盛り返されて大魚を逃がした。
【女子1部の最終順位】
1位:中国電力ライシス(7勝0敗)
2位:サンリツ(6勝1敗)
3位:デンソー(5勝2敗)
4位:レゾナック(4勝3敗)
5位:十六フィナンシャルグループ(3勝4敗)
6位:神戸松蔭女子学院大学(2勝5敗)
7位:百十四銀行(1勝6敗)
8位:愛媛銀行(0勝7敗)
詳しい記録はこちらから
日本卓球リーグ実業団連盟外部サイト(Labo live):https://score.labolive.com/game/jttl-2024-first/match
(取材=卓球レポート)