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卓球 パリ五輪 男子シングルス準決勝
 〜樊振東とモーレゴードが決勝進出〜

 パリオリンピック卓球競技5種目(混合ダブルス、男女シングルス、男女団体)が、パリ南アリーナ4(パリ・フランス)にて7月27日〜8月10日にて開催される。
 競技7日目の8月2日は男女シングルスの準決勝が行われ、ファイナリストが決まった。
 ここでは8月1日に行われた男子シングルスの準決勝の結果をお伝えする。
※写真はモーレゴード(スウェーデン)
※写真提供=ITTF/ONDA

決勝進出を決めた樊振東。「まだ優勝したわけではない」と観客に静寂を促す余裕を見せた

フォアクロスへの力強いカウンターが光った

早い打球点の両ハンドで見せ場をつくったF.ルブランだが樊振東には通じず

モーレゴードは勝利を決めてからもしばらく立ち尽くしていた

ひらめきあふれるプレーでカルデラーノから先手を取った

カルデラーノはリスキーな強打に頼ってミスが出た


▼男子シングルス準決勝
モーレゴード(SWE) 10,14,-7,7,-10,8 カルデラーノ(BRA)
樊振東(CHN) 8,6,7,5 F.ルブラン(FRA)

 世界卓球2021ヒューストン、世界卓球2023ダーバン2連覇中で、世界王者として臨むオリンピックで初の金メダルを狙う樊振東(中国)がまた着実に悲願の五輪金メダルに近づいた。
 準々決勝では張本智和の猛攻を驚異の粘り強さでしのいだ樊振東が、準決勝では林昀儒(中華台北)との接戦を乗り越えて初出場の五輪でベスト4入りを果たしたフランス期待の17歳フェリックス・ルブランを迎え撃った。
 ロングサービスから打ち合いに持ち込みたいF.ルブランに対して、レシーブから厳しく攻める樊振東。ラリーでも回転量の変化でミスを誘うなど、高速ラリー一辺倒のF.ルブランとは対照的に樊振東は多彩な対応を見せる。しかし、そんなことはお構いなしとばかりに、連続攻撃を続けるルブラン。競り合いになるも、腰を据えたプレーで樊振東が第1ゲームを先行。
 第2ゲームも緩急をうまく使う樊振東に対して、F.ルブランは打球点の早さ厳しいコース取りで樊振東を攻める。一見一本調子ではあるが、覚悟を決めた者の強さを感じさせる。樊振東はバック対バックのラリーからの展開を避けるためか、張本戦でも見せたフォア側からのYGサービスを織り交ぜながら、F.ルブランにペースを握らせない。また、樊振東は厳しく狙われたフォアミドルからも巧みなボディーワークでエース級のボールを放つなど見せ場を作り、2ゲーム連取。
 このまま王者に飲み込まれてしまうわけにはいかないF.ルブランはリスクを負って、さらにギアを上げる。それが奏功して4-1とリードするが、樊振東は先手を取られても落ち着いてこれに対応。F.ルブランが4-4と追い付かれたところでタイムアウト。しかし、タイムアウト以降も高い集中力で驚異の対応力を見せる樊振東の前に、F.ルブランは為す術がない。
 第4ゲーム、ミスをしない樊振東に食らいつくF.ルブランが好プレーも見せるが、やはり、安定性、総合力で上回る樊振東のリードを覆すことはできない。大きくリードを広げた樊振東が、ラリーから力強いフォアハンドドライブをF.ルブランのフォアミドルに突き刺して11-5とし、決勝進出を決めた。

 2回戦で王楚欽(中国)を破った初出場のモーレゴードが、3回戦で高承睿(中華台北)、準々決勝でO.アサール(エジプト)に打ち勝った勢いもそのままに、カルデラーノ(ブラジル)を破り、一気に決勝まで駆け上がった。
 カルデラーノは、戸上隼輔(日本)に経験の差を見せつけてストレート勝ちを収めた‪張禹珍‬(韓国)を準決勝で完封。中陣からでも一発で決まる両ハンドはあらゆる選手にとって脅威だ。
 準決勝は、カルデラーノが持ち前の高い攻撃力を発揮し、投げ上げサービスからの3球目攻撃とラリーからの両ハンドドライブでリードを広げる。モーレゴードは決勝進出を前に少しナーバスになったかミスが多い。カルデラーノが10-6とし、このゲームを取ったかに思われたが、モーレゴードもカットブロックからの強打など個性的なプレーで得点を重ねて10-10に。ここでカルデラーノが痛恨のサービスミス。このチャンスを生かしてモーレゴードが先制に成功した。
 ハイレベルな台上プレーの攻防からラリーでは互角の展開も、決めたい思いからか両者に決定打にミスが出る。このゲームもジュースとなるが、失点しても攻めの姿勢を貫いたモーレゴードが16-14で連取。
 2つのジュースを落としてさすがに気落ちしたかと思われたカルデラーノだが、威力のある3球目攻撃、中陣からの連続攻撃で、台から下げられても威力のあるボールでモーレゴードを崩し1対2に。
 しかし、あわてないモーレゴードはストップ、ツッツキを軸に、ノーモーションのディープツッツキや切るストップなどを交え、ひらめきにあふれた台上プレーからチャンスをつくって9-3と大きくリード。そのまま逃げ切ってモーレゴードが3対1と決勝進出に王手をかけた。
 後がないカルデラーノが思い切った攻撃で序盤リードするも、ゲーム終盤の競り合いで三度(みたび)ジュースに。攻め気が逸るモーレゴードのバックプッシュにミスが出て、カルデラーノが窮地をしのいで2対3に。
 第6ゲームは、両者持ち味を生かしたプレーで得点を重ね合うが、ミスを恐れず思い切って振り切るカルデラーノに対して、粘り強さで上回ったモーレゴードが一歩リード。8-5とモーレゴードがリードを広げたところでカルデラーノがタイムアウト。点差を詰めて8-7と迫られたところで今度はこのゲームで決めたいモーレゴードがタイムアウト。先にマッチポイントをとったモーレゴードが4球目フォアハンドドライブでカルデラーノのフォア側を抜いて決勝進出を決めた。
 銀メダル以上を確定させたモーレゴードだが、自分が初出場の五輪で決勝に進出を決めたことが信じられないといった表情で頭を抱え、うれし涙に頬を濡らしながらベンチのパーソンの抱擁を受け止めた。

 明後日4日(日)に行われる決勝はモーレゴード対樊振東。銅メダル決定戦はカルデラーノ対F.ルブランとなった。

<8月4日の試合予定(男子シングルス銅メダル決定戦、決勝)>
13時30分(日本時間18時00分) カルデラーノ(ブラジル) - F.ルブラン(フランス)
14時30分(日本時間21時30分) モーレゴード(スウェーデン) ー 樊振東(中国)

男子シングルスのトーナメント



詳しい大会の記録はこちら
公益財団法人日本卓球協会:https://jtta.or.jp/tour/24750
World Table Tennis:https://worldtabletennis.com/eventInfo?selectedTab=Results&eventId=2603

(まとめ=卓球レポート)



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