パリオリンピック卓球競技5種目(混合ダブルス、男女シングルス、男女団体)が、パリ南アリーナ4(パリ・フランス)にて7月27日〜8月10日にて開催される。
競技8日目の8月3日は女子シングルスの3位(銅メダル)決定戦が行われ、日本の早田ひなが銅メダルを獲得した。
※写真は早田ひな(日本)
※写真提供=ITTF/ONDA
▼女子シングルス銅メダル決定戦
早田ひな(日本) -9,11,10,7,-10,7 申裕斌(韓国)
これまでの対戦では早田が4勝0敗で勝っているが、準々決勝のピョン・ソンギョン(北朝鮮)戦で痛めたという利き腕の左前腕の影響が心配される中での立ち上がりとなった。申裕斌(韓国)は準々決勝で平野美宇(日本)との激戦を制してベスト4入り。混合ダブルスでも銅メダルを獲得しており、今大会で大きな存在感を示している選手の1人だ。
試合は、サービス・レシーブでの工夫、コース取りと連続攻撃に活路を見いだすが、決定力を欠く早田に対して、申裕斌はしっかりとチャンスをものにして先行。
強打が難しい早田はうまく緩急を使って申裕斌のミスを誘う。ボディーワークを使って強打も放ち、10-9とゲームポイント。しかし、ここで申裕斌のボールがエッジイン。申裕斌がラリーで粘り強さを見せるも、フォアハンド強打をオーバーミスして早田が1対1に戻す。
第3ゲームは緩急とコース取りに加えて、早田が強打で得点するシーンも見られたが、ラリーが長引くとミスの少ない申裕斌の良さが出る。申裕斌が10-8とゲームポイントを握ったところから、早田がミドル攻めで1本返すと韓国ベンチ呉光憲監督がタイムアウト。早田が投げ上げサービスで追い付くと、今度は早田がミドル攻めと、3球目攻撃で逆転し2対1とリード。
動きにも躍動感が出てきた早田。申裕斌も慎重なコース取りと緩急で食い下がるが、ラリーの組み立ての巧さでは早田に軍配が挙がる。勝負どころで申裕斌にミスが出て早田が3ゲーム連取。
申裕斌は回転量の多いバックハンドで早田のミスを誘い、リードする展開。9-6と申裕斌がリードを広げるが、早田がラリーで3点返し9-9に追い付く。早田はゲームポイントを1本しのぎジュースに持ち込むが、申裕斌が思い切ったチキータで決めこのゲームを取り返し、2対3に。
申裕斌は思い切ったロングサービスからの3球目攻撃なども狙うが、思うように得点につながらない。ここでも、世界卓球2024釜山の決勝、早田が陳夢戦で見せた戦術力の高さがゲームを支配。攻撃力の高い早田だが、あえて強打せずにつないだボールのコース、回転、軌道でうまく相手のミスを誘う巧みなプレーで7-3とリードを広げる。早田にミスが続き7-5と迫られたところで早田ベンチの石田大輔コーチがタイムアウト。早田が投げ上げサービスからのラリーで10-7とマッチポイントを握る。再び、早田の投げ上げサービスに対して申裕斌のレシーブがネットにかかってオーバーミスすると、一気にプレッシャーから解放された早田はその場に崩れ落ちた。
万全の態勢ではない中で戦うことを余儀なくされた銅メダル決定戦だが、早田が積み重ねてきた努力の結集と言える試合だったのではないだろうか。東京五輪の伊藤美誠に続いて、女子シングルスでは2大会連続で日本の銅メダル獲得が決まった。
詳しい大会の記録はこちら
公益財団法人日本卓球協会:https://jtta.or.jp/tour/24750
World Table Tennis:https://worldtabletennis.com/eventInfo?selectedTab=Results&eventId=2603
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