卓球 パリ五輪 男子団体準々決勝、準決勝
　〜日本がスウェーデンに惜敗。銅メダル決定戦へ〜

　パリオリンピック卓球競技5種目（混合ダブルス、男女シングルス、男女団体）が、パリ南アリーナ4（パリ・フランス）にて7月27日〜8月10日にて開催される。
　競技12日目の8月7日は男女団体の準々決勝と準決勝が行われた。
　ここでは男子団体準々決勝と準決勝の結果をお伝えする。
※写真はスウェーデンチーム
※写真提供＝ITTF／ONDA、ITTF

▼男子団体準々決勝

▼男子団体準決勝

　準々決勝で中華台北に3対1で勝利した日本が、決勝進出をかけて、男子シングルス銀メダリストのモーレゴードを擁するスウェーデンと対戦した。
　日本は、2試合を戦って連係も冴えてきた戸上／篠塚が丁寧な台上プレーで主導権を握り、ラリーでも足を使ったプレーでスウェーデンペアを上回った。攻撃力のあるケルベリ／K.カールソンはペースをつかめないままミスを誘われ、日本ペアが3対1で勝利。このオリンピック方式の団体戦では1番のダブルスの勝敗が大きく作用するだけに、大きな1勝だ。
　2番はエース対決は、張本がモーレゴードと対戦。張本は好調のバックサイドでモーレゴードに挑む。モーレゴードはトリッキーなプレーは控えて、ストップ、ツッツキ、バックハンドのプッシュなど独自性の高い洗練された技術で張本に応戦。しかし、バックハンドのボールの威力、安定性で上回った張本が2対1とリード。モーレゴードも台から大きく下がってからの逆襲や、馬龍が見せるようなレシーブでのバックハンドフリックなど多彩な技術で応じたが、張本の鉄壁のバックサイドを崩せずに、張本が勝利。日本は2点目を挙げて王手をかけた。
　ここで決めたい日本は、戸上が鋭いドライブでK.カールソンから第1ゲームを奪うが、K.カールソンの縦回転サービスからの巧みなバックサイドの攻防にゲームを支配されて、打開策を見いだせないまま1対3で敗れ、スウェーデンは再びモーレゴードにバトンをつなぐ。
　日本は篠塚がモーレゴードに挑戦。篠塚はサービス・レシーブでチャンスをつくってもなかなか得点に結びつけることができない苦しい展開。決定力の差が出て、モーレゴードが2対0とリード。あとがなくなった篠塚は両ハンドのギアを上げて、思い切って攻め込むと、気が緩んだかモーレゴードはこれに対応できずに篠塚が1ゲームを取り返す。息を吹き返した篠塚がモーレゴードに迫るが、気を引き締め直したモーレゴードが格上らしいプレーで10-7とマッチポイント。ここから篠塚が渾身（こんしん）のプレーで10-10と追いすがるが、しっかりとドライブで応戦したモーレゴードがラリーを制して2対2に。
　ラストは張本対ケルベリ。競り合いになることが多い2人の対戦だが、ここではバック対バックで圧倒的優位に立った張本が2対0とリード。勝負あったかに思われたが、ここで足が止まった張本に対して、ケルベリは動いてフォアハンドで決めるパターンが増え、張本は防戦一方に。2ゲームを返され、最終ゲームも拮抗した展開となるが、9-9からバックサイドでも自信を持ってプレーしたケルベリが打ち勝ってマッチポイント。最後はケルベリのストップレシーブに対して、張本のバックハンドが空を切って勝負が決まった。
　ヨーロッパのチームの勝利にパリの会場は歓喜に沸いた。スウェーデンは東京五輪で敗れた日本にリベンジを果たし、五輪の男子団体で初の決勝進出。団体では初のメダルを確定させた。日本はフランスと中国で行われる準決勝の敗者と銅メダルをかけて争う。

　準々決勝ではフランスがブラジルを3対0で圧倒。シングルスの銅メダル決定戦の再現となったF.ルブラン対カルデラーノのエース対決は再びF.ルブランの前陣両ハンドカウンターに軍配。
　中国は、世界卓球2024釜山で追い詰められた韓国に完勝。王楚欽は‪張禹珍‬に釜山のリベンジを果たし、中国の5連覇に向けての前進に貢献した。

男子団体のトーナメント

詳しい大会の記録はこちら
公益財団法人日本卓球協会：https://jtta.or.jp/tour/24750
World Table Tennis：https://worldtabletennis.com/eventInfo?selectedTab=Results&eventId=2603

（まとめ＝卓球レポート）