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卓球 パリ五輪 男子団体銅メダル決定戦
 〜フランスが銅メダル。日本は4位〜

 パリオリンピック卓球競技5種目(混合ダブルス、男女シングルス、男女団体)が、パリ南アリーナ4(パリ・フランス)にて7月27日〜8月10日にて開催される。
 競技14日目の8月9日は男子団体の銅メダル決定戦と決勝が行われた。
 ここでは男子団体銅メダル決定戦、フランス対日本の結果をお伝えする。
※写真はフランスチーム
※写真提供=ITTF/ONDA

フランスペアは剛柔のかみ合ったゴズィー(右)/A.ルブランが先制

篠塚(左)/戸上は出足が悪くフランスペアの勢いに押された

張本は激戦となったエース対決に惜しくも敗れた

F.ルブランはマッチポイントをしのいで逆転勝ち

弟に続きたいA.ルブランはパワープレーで戸上と対戦

戸上がA.ルブランを撃破し、日本は反撃の狼煙(のろし)をあげた

ゴズィーは多彩なプレーで張本を苦しめた

張本が戸上に続きゴズィーに勝利。望みをラストに繋いだ

篠塚は渾身のプレーでF.ルブランに肉薄

F.ルブランが銅メダリストの意地を見せて篠塚を退けた

フランスは初の男子団体メダル獲得に沸いた

▼男子団体銅メダル決定戦

フランス   3-2   日本
ゴズィー/A.ルブラン   5,7,-5,6   篠塚大登/戸上隼輔
F.ルブラン   -11,4,-9,6,10 張本智和
A.ルブラン   -8,-9,9,-9 戸上隼輔
ゴズィー -8,8,-8,-11 張本智和
F.ルブラン 7,7,-12,11 篠塚大登


 準決勝でスウェーデンとの激戦の末に惜しくも敗れた日本と、中国に健闘を見せたフランスとのメダルをかけた一戦は、フランスが2対0と先行したところから、日本が奮闘し2対2に持ち込むも、ラストは篠塚が相手エースのF.ルブランにわずかに及ばず、フランスはオリンピック団体戦初のメダルを獲得。2016年リオ五輪で銀、2021年東京で銅を獲得している日本は3大会ぶりにメダルを逃した。

 試合は、開催地フランスの首都パリの会場を埋め尽くした観客のほとんどがフランスチームに声援を送るという、日本にしてみればこれ以上ないというほどのアウェーだった。
 その雰囲気にのまれたか、日本ペアは精彩を欠く一方で、フランスペアはゴズィーの変幻自在のプレーとA.ルブランのパワーがかみ合い、2ゲームを連取。あとがなくなった日本ペアは篠塚のコースを突いたボールと戸上の思いきったドライブで9-1と大量リード。このまま逃げ切って1ゲームを返したが、フランスペアのカウンターが面白いように決まり、日本がリードを許す。日本ペアも3球目攻撃などで反撃するが、10-6でA.ルブランのバックハンドドライブに戸上が対応しきれずに、フランスが先制点を挙げた。

 2番のエース対決は、スウェーデン戦の敗戦を引きずることなく、気合い十分で臨んだ張本がシングルス銅メダリストのエース17歳のF.ルブランと対戦。ラブオールから張本のチキータレシーブに対してF.ルブランはあいさつ代わりの裏面バックハンドカウンターでエース。しかし、張本は、集中を削がれることなくバックハンドも鋭く、ラリーでも粘り強いプレーでジュースに持ち込むと、12-11でF.ルブランがレシーブミス。ここで張本はフランスへの大声援をかき消さんばかりに大きく3度吠えた。
 F.ルブランの精密機械のような両ハンドに対して、張本も鋭いバックハンドを軸に、テンポの早いラリーで応戦。お互いにゲームを取り合い、勝負は最終ゲームに及んだが、バック対バックで優位に立った張本が10-7とマッチポイント。勝負あったかに思われたが、F.ルブランが大声援を背に得点を重ね10-9で、張本のバックサイドを切った横回転系ショートサービスを台の横に踏み込みながら思い切ってチキータしジュースに。ゲームポイントを握ったF.ルブランは勢いのままに張本のロングサービスを回り込んでバックストレートにたたき込んで熱戦は幕を閉じた。

 あとがなくなった日本は戸上が、6月に行われたWTTコンテンダー ザグレブの決勝で敗れているA.ルブランと対戦。戸上はサービスからの展開で優位に立ち、ストップ対ストップからの攻防でも着実に得点を重ね8-4に。9-7とA.ルブランに迫られたところでタイムアウト。このゲームを取りきって戸上が先制。フォアハンドの打ち合いの精度でも軍配が挙がった戸上が2ゲームを連取。A.ルブランは戸上の強打にも対応して、よく拾い後陣からの展開に持ち込み得点も。ゲームポイントから不意を突いたしゃがみ込みサービスでこのゲームを返す。
 第4ゲームは両ハンドのパワーでは互角以上の戸上がリードする展開。ロビングも打ち切って流れに乗ると、焦ったA.ルブランにミスも出て、最後は戸上の横下回転サービスに対して、A.ルブランがストップをネットにかけ、戸上がA.ルブランにリベンジ。日本は再びエース張本に繋いだ。

 4番で張本はゴズィーと対戦。攻撃力では張本が優位だが、クセのあるゴズィーを崩すのは一筋縄ではいかない。だが、張本はサービスも利いて、9-6とリード。9-7と迫られたところで早めのタイムアウト。このゲームを張本が落ち着いて先行。しかし、打ち合いに応じてくれないゴズィーに対して、なかなか張本の調子も上がらず、第2ゲームはゴズィーに。
 前陣の張本に対して、中陣のゴズィーが互角の展開で進むが、8-8から2本バック対バックで打ち勝った張本が取り返して2対1に。
 第4ゲームも競り合いとなるが、バックハンドの精度で勝る張本が10-8でマッチポイントを握る。しかし、思い切ったゴズィーがゲームポイントを握り返すも、落ち着いてコースを突いて攻めきった張本が14-12で両手を高く挙げて、日本ベンチに向かって吠えた。

 フランスの国歌ラ・マルセイエーズの大合唱の中、ラストの篠塚対F.ルブランの幕が上がった。篠塚は、動きに硬さの見られる立ち上がり。F.ルブランのバッククロスが、篠塚のフォア側に深く突き刺さり、このボールに篠塚が対応しきれずにF.ルブランが先行。
 篠塚は吹っ切れたような動きのよさで、打球点を下げずに連続攻撃でF.ルブランに迫るが、やはり両ハンドの決定力の差で、F.ルブランが11-7で連取。
 第3ゲームもF.ルブランリードの展開で進むが、ここで終わらせまいと必死に追いすがる篠塚にラッキーポイントも重なり、このゲームを逆転で取り返す。
 第4ゲームは思い切って先手を取って攻め込む篠塚が4-1とリード。しかし、8-6から、篠塚の回り込みバックストレートをクロスにカウンターを決めたF.ルブランが勢いに乗って、10-9でマッチポイント。諦めない篠塚がコースを突いたバックハンド、フォアハンドの連打で粘るが、13-12からF.ルブランの3球目フォアハンド攻撃がフォアストレートに刺さり、F.ルブランが4度目の銅メダルポイントをものにしてフランスに初の団体戦のメダルをもたらした。
 

男子団体のトーナメント



詳しい大会の記録はこちら
公益財団法人日本卓球協会:https://jtta.or.jp/tour/24750
World Table Tennis:https://worldtabletennis.com/eventInfo?selectedTab=Results&eventId=2603

(まとめ=卓球レポート)



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