準々決勝で盟友・平野美宇(木下グループ)との激闘を制し、3大会ぶりにベスト4に返り咲いた伊藤美誠(スターツ)。はじけるようなスマッシュ、多彩なレシーブ、変化に富んだバックハンドなど、伊藤らしい技の数々を披露し、準決勝まで駆け上がったが、張本美和(木下グループ)には完敗を喫してしまった。
急成長する若手の台頭を、どのように受け止め、どのように対峙していくのか。張本を高く評価しながらも、自身のさらなる成長を模索する伊藤のコメントを紹介しよう。
--準決勝を振り返っていかがですか?
伊藤 最近よくやられるパターンかなという感じです。張本選手と対戦したときもそうですし、中国人選手とやったときのパターンともすごく似ていて、ああいう時本当にどうしたらいいか分からなくて、未だに未解決のままです。
だからこそ試合中考えちゃうんですよね。どうしても分からないし、1点取りたいから考えちゃうんですけど意外と先に進まなくて、むしろアドバイスがほしいくらいです。自分では分からないからアドバイスほしいくらいなんですけど、やっぱりフォア側にスマッシュされないようなボールだったりとか、バックにも質の高いボールで攻めていったりとか、本当に日本人の選手の中で1、2番と言っていいような質が高いし、質が高い以上にコースも良かったりするし、質が高いだけでコースが同じだとやっぱり返せるので、コースも広いし質も高いというところで、そういう部分で歯が立たないというか、そういう選手に対して張本選手もそうですけど、日本でいうとそういうボールを出せるのは張本選手と大藤選手(大藤沙月/ミキハウス)かなと言う感じで、やっぱり若いからこそ出せるボールもあるし、でも、それが大人になってきて安定してきているし、本当に若いだけだと、凡ミスがあったと思うんですけど、それが落ち着いて、コースも相手を見ながら打てるようになってきて入るようになってきているのかなと思うんですけど、そこが自分の中ではミスしてくれたらラッキーだけど、ミスが少ない。
だから、本当に1点、2点しか取れないというか。自分のボールを待っちゃったというのもあるのかもしれないですけど、やっぱり(普段練習や試合を)やっているボールの質くらいだとやりやすいじゃないですか。でも、やったことなかったりとか、それこそ前回の準々決勝もやったことない選手だと思うんですけど、やったことない選手だとやっぱりボールの質も違うし、やっぱりそうなると試合では接戦になったりするので、やっぱりそういうところでは自分も元々の持ち味でもあるから難しいけど、質の低いボールというのも大事なのかな。質の低いと言ったらあれだけど、低いのが悪い訳ではないので、質の低いというのが良い方に転ぶときもあるので、やっぱりそういうところを自分の中でも質の高いボールと低いボールも出せるようにしていきたいと思いました。
--若い世代に負けたくないという気持ちを掻き立てるような思いが強くなってきたのですか?
伊藤 若い選手は何回勝ってても思い切ってやれるじゃないですか。でも、自分自身も思い切ってやるというだけで、今日はチャレンジャーの気持ちでやっていたんですけど、やっぱり押し切られすぎてしまうとそこにまた押し切れなくて、そこが弱かったところかなと思いました。
でも試合なので1点で流れも変わってくるし、そういうところで流れを変えることが今日はできなかった感じでした。本当にいいようにやられた感じでした。
--張本選手の安定感が中国選手と同じレベルになってきているということですか?
伊藤 レベルも中国選手と同じなので、日本の選手でここまで質が高いとなると男子の選手とか中国人の選手とやらない限り慣れないと思うので、そういう部分では男子選手や中国人選手ともっともっとやらせていただく機会があればいいなとすごく思いました。試合でいきなりやっても、受けることがなかなかできないので地道にコツコツと、そういう選手ともやるし、全日本は質も幅が広いのでそういう部分では、今回全日本の前には色んな選手とやらせてもらってて、男子選手とやる機会はあったんですけど、数日という感じで、試合前に入ってからはいつもやってる選手とかお母さんの多球練習とかとやってたので、男子選手とやらせていただく機会がもっとあったらいいなと思いました。
--どうやったら勝てるのか考えてる時間は今の時点で苦しいのか、それも成長だと思って楽しめるのか?
伊藤 試合のときは苦しいです。練習のときは時間があるから考える余裕があるんですけど、試合のときにその時間を取ると苦しいです。
--試合前の準備のときに対策を考えたりするのは?
伊藤 それは全然大丈夫です。試合の中で分からなくなると、考え込んでしまうタイプなので選手にもよりますけど、私は試合のときに足が止まっちゃったりする方が嫌なので、準備の段階でもしっかりすることが大事なのかなと思います。
--今年の一番大きなターゲットは世界卓球だと思うんですけど、中国人選手や男子選手との練習が必要になってきますか?
伊藤 そうですね、世界卓球になると戦型が色々ってパターンがあるんですけど、だいたい男子選手っぽい選手が多いのでその中ではヨーロッパのパワーボールだったりとか、ちょっとやりにくい選手ともやっていくべきだなと思いましたし、本当に今回はやってきたことはすごく良かったんじゃないかなと思いました。全日本前にやってきた準備も良かったと思うし、準備の段階でもストレスを溜めないように、そういうところでも今回は準備の段階から良かっんじゃないかなと思ったので、入りはすごく良かったです。そこから気付くこともできて、そこで気付いたことを再調整することもできて、気持ちの部分ではずっと良かったと思います。
試合の中での気持ちの切り替えじゃないですけど、うまくいかなかった時の切り替えだったり、どうすればいいのかを早目に考えられるように、でも、それはもうずっとやっていかなきゃいけないなと思います。なかなかパッとできなくてそこはこれからの課題でもあります。
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詳しい試合の結果は日本卓球協会大会公式サイトでご確認ください。
全日本卓球:https://www.japantabletennis.com/AJ/result2024/
[国内大会]
2025年全日本卓球 女子シングルス3位 伊藤美誠
「本当にいいようにやられた感じ」
2025.01.28
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