昨年に続く連覇を目指して快調に勝ち上がった張本智和(智和企画)は、準決勝で松島輝空(木下グループ)と対戦。張本が新鋭の挑戦をどうさばくのか。張本優位の見立てで始まった一戦は、予想に反し、ここまで盤石のプレーを続けていた張本を、松島の火の出るような猛攻が襲った。
「これだけ圧倒されて負けたのは久しぶり」と松島の力を素直に認めた張本の準決勝後のコメントをお届けしよう。
張本 彼の(松島の)状態は良かったのは分かりますが、百聞は一見にしかずじゃないですが、やってみないと分からないところはあります。最近、この2カ月だけで3〜4回対戦していて、彼のある程度の実力は分かっていますが、今日は過去を完全に上回るような、出だしから回り込みが激しかったですし、1ゲーム目で僕がリードをしていても余裕がないような感じもあったので、その時点で今日は彼の勢いに飲まれてしまったかな。でも、勢いだけでなく確かな実力もあったので、本当に完敗だなと思います。
全日本は特別な舞台で優勝すればみんなに覚えてもらえるし、自分も満足できる大会ですけど、やっぱり一大会一大会、自分はしっかり区切っているので今回ベスト4だったというだけで、これがたまたまWTTが日本であったくらいの気持ちでは受け止めているので、本当にそれ以上に今日は彼のパフォーマンスが素晴らしかったので、やっぱりそこまですごく落ち込むということはなく、ちゃんと技術的なところに今は集中して反省できると思います。本当にただただこれだけ圧倒された負けというのは久しぶりだと思うので、帰って本当にしっかり反省しなきゃいけないなと思います。
途中サービスを変えたときにポイントが取れましたが、レシーブで流れが変えられなかったので、レシーブでもうちょっと工夫して勝ちたいですけど、やっぱり工夫をしなきゃいけないというところまで追い込まれてしまっている以上、今日の試合に限って言えば地力で負けていました。特に象徴的だったのがラリーで、何度も巻き返されて、昨日まで自分がやっていたようなプレーを彼にやられてしまって何度も心を折られてしまったかなと思います。
何度もバックハンドで、元々そういうプレーができる選手ですけど、今日はフォアハンド、バックハンドともに全て入っていたので、ゾーンに入る時は誰にでもあることなので、他の選手がゾーンに入っても僕には勝てないかもしれないですけど、彼はゾーンに入れば勝てるのかなと。それは今まで僕も彼に負けたことがありますし、それはわかっていたので最後らへんはしょうがないかなという思いもありながら、難しかったです。
僕が(タイトルを)取れていなかった期間でも向かってこられてましたし、全日本というのはもう15歳からずっと向かわれているものなので、それでもなんとか跳ね返していきながら、今までこの5、6年間負けた時というのは、彼らがすごく強いとか大事なポイントが取れなかったりとか、そういうのが噛み合えば全然僕でも負けるので、そういうのはしょうがないですけど、できるだけその数を減らしたいですね。という中で、今回はベスト4で松島に負けてしまった。あと2つ耐えたかったんですけど、今年はちょっとできなかったです。
今日も(僕のパフォーマンスは)70から80の間でしたけど、今日の松島選手のパフォーマンスは想定できていなかったので、今日の松島選手には70〜80では勝てないかなと。彼とは2週間前に試合していて、その時の彼だったら勝てたかもしれないですけど、この2週間だけで成長したかわからないし、この大会で優勝したいという気持ちも噛み合わさって、1球目から声を出す彼も初めて見たので、(6回戦で)吉村選手(吉村真晴/SCOグループ)に勝った時くらいからすごく状態はいいんだろうなと思いました。
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詳しい試合の結果は日本卓球協会大会公式サイトでご確認ください。
全日本卓球:https://www.japantabletennis.com/AJ/result2024/
[国内大会]
2025年全日本卓球 男子シングルス3位 張本智和
「松島は勢いだけでなく確かな実力もあった。本当に完敗」
2025.01.28
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