■一大転機となったラバー転向
裏ソフトから表ソフトに
私は昨年の7月下旬のインカレ後、それまで使用していた裏ソフトから表ソフトに変え、現在、前陣攻守型を目指しています。表ソフトに変えた理由は、当時行われていたノビサド世界選手権の代表選考リーグで、自分より下位の人には勝てても、上位の人にはほとんど勝てなかったのが最大の要因です。それに、関東学生決勝で近藤さん(法大)に敗れ、インカレでは、チームは優勝したものの、私は決勝の近大戦で笠原さんに敗れるなど、不本意な試合内容が続きました。
そんな折、長谷川さん(タマス)に「表ソフトに変えては...」とアドバイスを受けたわけです。自分自身、表ソフトに変えたいと思っていたのですが、シーズン中ということもあって、なかなかふんぎりがつかずにいた時だけに、長谷川さんのアドバイスに意を強くし、思いきって変えました。その結果、幸い、ノビサド大会の代表にもなれましたし、先日の関東学生優勝につながったのだと思います。このラバー転向が私の一つの転機になったといえます。
■現在の練習
フォアハンドロング
①フォアクロス
②バッククロス
③フォアストレート
④バックストレート
ショート打ち
バッククロス、フォアストレートにショートしてもらってのショート打ち。自分がフォアハンドの場合とショートをそれぞれ20分ずつ。
フォア打ちで気をつけていることは、
㋑一球一球、足の微調整をして、必ずふみこんで打つ
㋺ラリー中、いつでもスマッシュできる心づもりで打つ(しっかりした体勢で)
㋩フリーハンドの位置の確認
㋥振りきったあとの基本姿勢へのもどりを速く
㋭打球したコースの確認
㋬目線の高さで打つ
㋣重心の移動を正確に
...といったことに心をくばりながら、フォア打ち、ショート打ちを行います。
フットワーク
フットワークは
①フォアクロスで前後(フォアハンドロング対フォアハンドロング)
②左右交互に(フォアハンドロングで回してもらう)
③オール(ショートで回してもらう)
...以上を30分で行います。
フットワークで気をつけていることは、 ㋑苦しくても続ける ㋺形式的に動くのではなく、あくまで一球一球に対して、正確に速く動く ㋩大きく動く
相手を動かす場合は、 ㋑ミスをしないで続ける ㋺相手の限界と思われる少し手前の範囲に打つ ㋩自分の練習なんだという気持ちで、ねらったコースに打つ
ドライブ打ち
フォアクロスで、中陣、もしくは後陣からドライブをかけてもらって、それを連続強打
気をつけていることは、 ㋑早く基本姿勢にもどる ㋺サイドを切って入るように ㋩打球点は頂点、もしくは頂点前で ㋥常に威力のあるスマッシュを打つ
バックハンド
①バック側からクロスにショートしてもらい、それをバックハンドで(右足前および左足前のスタンス両方)
②バック側からフォアハンドロングを打ってもらって、ストレートへ
③コート半面(バック側)にショートでちらしてもらって、フットワークをともなって打つ
④フォアハンドロング、もしくはショートで左右交互に返してもらって、切りかえ(バックハンド2球、フォアハンド1球とか)
気をつけていることは、 ㋑バッククロスとコースを決めていても、フォアにいつ打たれても打てる準備をしておく ㋺フリーハンドの位置を考える ㋩きき腕の肘をフリーハンド側の脇腹につける感じに引きつける
3球目攻撃
①ショートサービスを相手のバック前に出し、それをフォア側、バック側にツッツいてもらって、相手のフォア、バック、ミドルへ強打。バックへのツッツキに対しては、バックハンドでも強打(右足前と左足前で)
②フォア前に、下回転とナックル性のサービスを出す。相手にバック前にストップレシーブ、バックに深く切ったツッツキレシーブ、もしくはフォアに払ってもらう。それを3球目攻撃。バック側へのレシーブに対しては主にバックハンド
③ドライブ性のロングサービスをストレートとクロスに出し、3球目スマッシュ。バック側へのレシーブに対しては、プッシュや止めるショートも使う
気をつけていることは、 ㋑サービスの時の右足の位置を考える(回り込める位置) ㋺サービスが自分の思った位置、回転になっているか ㋩3球目で決まっても、必ず基本姿勢にもどって待つ
カット打ち
①フォアクロス、バッククロスへカットしてもらい、連続スマッシュ
②ツッツキからのスマッシュ
③全面にオールで送ってもらったカットをすべてミドルへ強打
気をつけていることは、 ㋑打球点をさげない ㋺小さな足の動きをともなって(微調整)
■東京大会を目指して
以上が現在の主な練習ですが、ノビサドでの世界選手権に参加して感じたことは、
①ストップレシーブ
②3球目のバックハンド攻撃
③ロングサービスからの両ハンド攻撃
④台上の処理
...の強化の必要性です。これから大いにとりくんでいく所存です。
ランニングも10日間の世界選手権を戦えるよう、更に増やしていかなければなりません。また、コートについていない時の練習が大切です。日常生活の中でいかに、卓球のことを考え、卓球にプラスになることを実行していくかにかかっています。これからは、ノビサド大会の経験を基にして、2年後の東京大会を目指して精一杯がんばりたいと思っています。
ぬかづかじゅうぞう
青森・三本木高→明治大学
右、ペン、表ソフト前陣攻守型。表ソフトに転向後、進境著しく、学生のタイトルを独占。
1981年世界選手権日本代表
(1981年8月号掲載)
裏ソフトから表ソフトに
私は昨年の7月下旬のインカレ後、それまで使用していた裏ソフトから表ソフトに変え、現在、前陣攻守型を目指しています。表ソフトに変えた理由は、当時行われていたノビサド世界選手権の代表選考リーグで、自分より下位の人には勝てても、上位の人にはほとんど勝てなかったのが最大の要因です。それに、関東学生決勝で近藤さん(法大)に敗れ、インカレでは、チームは優勝したものの、私は決勝の近大戦で笠原さんに敗れるなど、不本意な試合内容が続きました。
そんな折、長谷川さん(タマス)に「表ソフトに変えては...」とアドバイスを受けたわけです。自分自身、表ソフトに変えたいと思っていたのですが、シーズン中ということもあって、なかなかふんぎりがつかずにいた時だけに、長谷川さんのアドバイスに意を強くし、思いきって変えました。その結果、幸い、ノビサド大会の代表にもなれましたし、先日の関東学生優勝につながったのだと思います。このラバー転向が私の一つの転機になったといえます。
■現在の練習
フォアハンドロング
①フォアクロス
②バッククロス
③フォアストレート
④バックストレート
ショート打ち
バッククロス、フォアストレートにショートしてもらってのショート打ち。自分がフォアハンドの場合とショートをそれぞれ20分ずつ。
フォア打ちで気をつけていることは、
㋑一球一球、足の微調整をして、必ずふみこんで打つ
㋺ラリー中、いつでもスマッシュできる心づもりで打つ(しっかりした体勢で)
㋩フリーハンドの位置の確認
㋥振りきったあとの基本姿勢へのもどりを速く
㋭打球したコースの確認
㋬目線の高さで打つ
㋣重心の移動を正確に
...といったことに心をくばりながら、フォア打ち、ショート打ちを行います。
フットワーク
フットワークは
①フォアクロスで前後(フォアハンドロング対フォアハンドロング)
②左右交互に(フォアハンドロングで回してもらう)
③オール(ショートで回してもらう)
...以上を30分で行います。
フットワークで気をつけていることは、 ㋑苦しくても続ける ㋺形式的に動くのではなく、あくまで一球一球に対して、正確に速く動く ㋩大きく動く
相手を動かす場合は、 ㋑ミスをしないで続ける ㋺相手の限界と思われる少し手前の範囲に打つ ㋩自分の練習なんだという気持ちで、ねらったコースに打つ
ドライブ打ち
フォアクロスで、中陣、もしくは後陣からドライブをかけてもらって、それを連続強打
気をつけていることは、 ㋑早く基本姿勢にもどる ㋺サイドを切って入るように ㋩打球点は頂点、もしくは頂点前で ㋥常に威力のあるスマッシュを打つ
バックハンド
①バック側からクロスにショートしてもらい、それをバックハンドで(右足前および左足前のスタンス両方)
②バック側からフォアハンドロングを打ってもらって、ストレートへ
③コート半面(バック側)にショートでちらしてもらって、フットワークをともなって打つ
④フォアハンドロング、もしくはショートで左右交互に返してもらって、切りかえ(バックハンド2球、フォアハンド1球とか)
気をつけていることは、 ㋑バッククロスとコースを決めていても、フォアにいつ打たれても打てる準備をしておく ㋺フリーハンドの位置を考える ㋩きき腕の肘をフリーハンド側の脇腹につける感じに引きつける
3球目攻撃
①ショートサービスを相手のバック前に出し、それをフォア側、バック側にツッツいてもらって、相手のフォア、バック、ミドルへ強打。バックへのツッツキに対しては、バックハンドでも強打(右足前と左足前で)
②フォア前に、下回転とナックル性のサービスを出す。相手にバック前にストップレシーブ、バックに深く切ったツッツキレシーブ、もしくはフォアに払ってもらう。それを3球目攻撃。バック側へのレシーブに対しては主にバックハンド
③ドライブ性のロングサービスをストレートとクロスに出し、3球目スマッシュ。バック側へのレシーブに対しては、プッシュや止めるショートも使う
気をつけていることは、 ㋑サービスの時の右足の位置を考える(回り込める位置) ㋺サービスが自分の思った位置、回転になっているか ㋩3球目で決まっても、必ず基本姿勢にもどって待つ
カット打ち
①フォアクロス、バッククロスへカットしてもらい、連続スマッシュ
②ツッツキからのスマッシュ
③全面にオールで送ってもらったカットをすべてミドルへ強打
気をつけていることは、 ㋑打球点をさげない ㋺小さな足の動きをともなって(微調整)
■東京大会を目指して
以上が現在の主な練習ですが、ノビサドでの世界選手権に参加して感じたことは、
①ストップレシーブ
②3球目のバックハンド攻撃
③ロングサービスからの両ハンド攻撃
④台上の処理
...の強化の必要性です。これから大いにとりくんでいく所存です。
ランニングも10日間の世界選手権を戦えるよう、更に増やしていかなければなりません。また、コートについていない時の練習が大切です。日常生活の中でいかに、卓球のことを考え、卓球にプラスになることを実行していくかにかかっています。これからは、ノビサド大会の経験を基にして、2年後の東京大会を目指して精一杯がんばりたいと思っています。
ぬかづかじゅうぞう
青森・三本木高→明治大学
右、ペン、表ソフト前陣攻守型。表ソフトに転向後、進境著しく、学生のタイトルを独占。
1981年世界選手権日本代表
(1981年8月号掲載)