夏になると、学生の皆さんには、「夏休み」という重点的に練習できる絶好のチャンスがあります。夏をどのように過ごすかで、その後の卓球は変わってくるはず。夏を有意義に過ごすためには、どんなことに留意すればよいのかを、卓球レポート1995年8月号「特集 夏に伸びる(文=渋谷五郎)」より抜粋して紹介しましょう。
敗戦で自己改革
大きな試合で負けても、プレーの内容がまったく変わらない選手がいる。
いつも変える必要はないが、自分と同じくらいのレベルの選手と対戦し、調子も良くベストを尽くして負けたなら、自分のプレーを改革する必要がある。「改革なくして進歩なし」である。
過去に名選手と言われたほとんどの選手は、負けては悩み、大決心をしてそれまでのプレーに見切りをつけ、思い切った改革をして成功した。
当然ながら改革には大きな決心が必要だ。「もしかしたら、自分の卓球が駄目になってしまうかもしれない。しかし、このままでは、いつまで経っても同じこと」と、思い切って変える。
気持ちに少しでも「思い切り」が欠ければ成功は難しいが、十分であればほとんど成功するものだ。
負ける度に強くなろう。いつも同じプレーだと、負け続けて負け犬になってしまう。負けたら改革することにより、精神的なたくましさもついて強くなっていく。
その意味で負けた試合の内容を反省して、次回では同じことを繰り返さない固い決意を持つことが「伸び」につながる。<第5回に続く>