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卓レポ名勝負セレクション 
100年に一度の大激戦 Select.2

 卓球レポートは国内外のさまざまな大会へ足を運び、およそ半世紀にわたり、あまたの熱戦を映像に収め続けてきた。その膨大な映像ストックの中から、語り継がれるべき名勝負を厳選して紹介する「卓レポ名勝負セレクション」。
 今回のシリーズは、「100年に一度の大激戦」として卓球ファンの間で語り継がれる2001年世界卓球選手権(以下、世界卓球)大阪大会男子団体準決勝の中国対韓国戦をお届けしている。
 前回のトップに続き、今回は、2番の孔令輝(中国)対金擇洙(韓国)の試合を紹介しよう。

※当時の団体戦のルールは1ゲーム21ポイント制の3ゲームスマッチ。サービスは5本交替

■ 観戦ガイド
注目のエース対決
金擇洙がパワーと気迫で、孔令輝に襲いかかる

「1961年以来全ての世界卓球選手権大会を見てきたが、これほどすごい戦いは見たことがない」と当時の李富栄中国選手団団長がうなったほど、歴史に残る激戦になった世界卓球大阪大会男子団体準決勝の中国対韓国戦。
 
 試合の行方を占う上で重要な1番は、劉国正(中国)が呉尚垠(韓国)を下し、中国が先制する。
 劉国正は、独特なリズムで出すサービスから、足をしっかり使ったダイナミックなプレーで呉尚垠にストレート勝ちしてトップの重責を果たし、中国ベンチの期待に応えた。一方、呉尚垠は、時折目を見張るようなボールで得点する半面、凡ミスも目立ち、この後に不安を残す敗戦になってしまった。

 中国は続く2番でエースの孔令輝を起用し、一気に王手を狙う。
 孔令輝は、1995年世界卓球天津大会男子シングルスにおいて、世界卓球初出場初優勝に加え、中国初のシェーク攻撃型チャンピオンという肩書きまで付く衝撃デビューを飾って以降、中国男子を牽引。2000年のシドニーオリンピック男子シングルスでは金メダルを獲得し、この大阪大会当時、世界最強の選手だ。
 ちなみに、猛烈に切れたツッツキから正確無比な両ハンドを繰り出す孔令輝のプレーは「精密機械」と賞賛され、後進に大きな影響を与えた。

 一方、勝負を振り出しに戻したい韓国は、エースの金擇洙に期待を託す。
 ペンドライブ型の金擇洙は、強靭なフィジカルを土台としたフットワークとフォアハンドのパワードライブで一世を風靡した選手だ。
 フットワークとパワーに加え、台から離れてのしのぐプレーも抜群にうまく、1998年にタイのバンコクで行われたアジア競技大会男子シングルスでは、準決勝で孔令輝、決勝で劉国梁と中国選手を連破し、優勝を果たしている。

 実績と実力で勝るとも劣らない両者のエース対決だが、直近の成績から孔令輝がやや優位と見られていた。
 しかし、試合が始まると、金擇洙が持ち前のパワーと気迫で、孔令輝を後手に回す。
(文中敬称略)

(文/動画=卓球レポート)

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