卓球レポートは国内外のさまざまな大会へ足を運び、およそ半世紀にわたり、あまたの熱戦を映像に収め続けてきた。その膨大な映像ストックの中から、語り継がれるべき名勝負を厳選して紹介する「卓レポ名勝負セレクション」。
このシリーズでは、9月に韓国の平昌で開催された第26回アジア卓球選手権大会(以下、アジア選手権)での熱戦をセレクトして紹介する。
今回の名勝負は、黄鎮廷(香港)対張禹珍(韓国)の男子シングルス4回戦をお届けしよう。
■ 観戦ガイド
快足強打が自慢の両雄が対峙
白熱したバトルの行方は?
男子シングルス4回戦で最激戦になったのが、今回取り上げる黄鎮廷(香港)対張禹珍(韓国)である。
エースとして香港を長く支えている黄鎮廷は、希少なペンドライブ型だ。素早いフットワークを生かしたフォアハンドドライブが最大の武器で、引き合い(ドライブ対ドライブの打ち合い)にめっぽう強く、裏面打法も熟練の域に達しつつある。3回戦ではラリー戦の強さに定評のあるゲラシメンコ(カザフスタン)と真っ向から打ち合って下し、4回戦に勝ち上がってきた。
黄鎮廷がベスト8をかけて対戦するのは、張禹珍。トップ選手への登竜門である2013年世界ジュニア選手権ラバト大会の男子シングルスで優勝して一躍脚光を浴びて以降、順調に実績を積んで韓国の大黒柱へと成長した選手だ。
シェーク攻撃型の張禹珍だが、黄鎮廷と同じように素早いフットワークを生かした積極的なフォアハンド攻撃を得意とする。男子シングルスの前に行われた団体戦では韓国を準決勝までけん引し、シングルスに入っても充実のプレーで4回戦まで勝ち上がってきた。
素早いフットワークを生かしたフォアハンド攻撃を得意とし、打ち合いに絶大の自信を持つ。共通項の多い両者の試合は、地元開催で気迫みなぎる張禹珍が2ゲームを連取し、勝利に王手をかける。勝負あったかに見えた一戦は、しかし、黄鎮廷が巧みな台上技術を生かして第3ゲームを奪い返すと、会場中の視線を集めながら熱を帯びていく。
(文中敬称略)
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(文/動画=卓球レポート)