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卓レポ名勝負セレクション 
世界卓球2024釜山の軌跡 Select.34 
馬龍(中国) 対 ゴズィー(フランス)

 卓球レポートは国内外のさまざまな大会へ足を運び、およそ半世紀にわたり、あまたの熱戦を映像に収め続けてきた。その膨大な映像ストックの中から、語り継がれるべき名勝負を厳選して紹介する「卓レポ名勝負セレクション」。
 今シリーズでは、2月に韓国の釜山で開催された第57回世界卓球選手権大会団体戦(以下、世界卓球2024釜山)で繰り広げられた激闘の軌跡をたどる。
 シリーズ最終回は、男子団体決勝の中国対フランスの3番、馬龍(中国)対ゴズィー(フランス)の名勝負をお届けしよう。

■ 観戦ガイド
世界卓球2024釜山もいよいよ決着の時
巨竜の旅のフィナーレをしかと見届けよ!

 前人未到の11連覇の偉業に挑む中国と、1997年マンチェスター大会以来となるファイナル進出を果たしたフランスによる男子団体決勝は、1番で王楚欽(中国)がF.ルブラン(フランス)を圧倒して中国が先制する。
 続く2番樊振東(中国)対A.ルブラン(フランス)はゲームオールにもつれる激しい打撃戦になったが、樊振東がA.ルブランの火の出るような猛攻を世界王者の意地ではね返し、中国が11連覇に王手をかける。
 そして、試合は3番の馬龍(中国)対ゴズィー(フランス)を迎えた。

 世界卓球男子シングルス三連覇、オリンピック男子シングルス二連覇を筆頭に他の追随を許さないキャリアを築いてきた馬龍は、卓球界の王であり、現役選手ながらレジェンド的存在だ。2006年ブレーメン大会に17歳で中国代表に抜てきされて以降、世界卓球団体戦出場は実に9大会連続となる。中国男子はこの世界卓球2024釜山までに10連覇を果たしているが、その栄光の多くに馬龍は深く貢献してきた。
 これまで、世界卓球の団体戦で無類の強さを見せてきた馬龍だが、しかし、35歳を迎えてプレーに陰りが出たのか、韓国との準決勝の3番では李尚洙の勢いに抗しきれずに敗れている。今夏のパリオリンピックで勇退がうわさされている馬龍だが、世界卓球の団体戦も恐らくこれが最後だろう。
 そうだとしたら、この3番は馬龍にとって、チームの11連覇を決めるのはもちろんのこと、自身の輝かしいキャリアの終章を彩る上でも絶対に負けられない一戦だ。

 一方、ここから巻き返しを図りたいフランスが3番を託すのは、29歳のゴズィーだ。センスあふれる両ハンドを武器にジュニア時代からフランスをけん引してきた選手で、今大会でも若いルブラン兄弟を支えながら3番にどんと構え、勝ち星を重ねてフランスの決勝進出に大きく貢献している。

 馬龍が決めるのか。それともゴズィーが一矢報いるのか。
 チームの精神的支柱同士の一戦は、一撃バックハンドを決めつつ、長いラリーでも打ち勝ったゴズィーが第1ゲームをあっさり奪う。その様子から、準決勝同様、馬龍にはもう相手の勢いにあらがう力はないのか。そう思われた第2ゲームから、ゴズィーのやり方と球筋を見取った馬龍が王たるゆえんを見せつける。
「私にとって世界卓球はどれも思い出に残っていますが、今回は特に忘れられません。昨日の韓国との激戦(準決勝)の後でチームはリセットし、今日はかなり良い精神状態で臨むことができました。チームのために勝利し、タイトル獲得に貢献できて本当にうれしいです。同時に、樊振東や王楚欽、林高遠、梁靖崑らの成長も目にすることができました。チームがここからさらに成長していくことを信じています。これが、私の世界卓球という『旅』の最後のイベントになるでしょう」と試合後に心境を語った馬龍。
 これまで幾多の荒波を乗り越え、比類なき栄光を築いてきた巨竜の長旅のフィナーレをしかと見届けてほしい。
(文中敬称略。年齢は大会時)

↓動画はこちら

(文/動画=卓球レポート)

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