ついに、樊振東（中国）が卓球レポートに登場！この特別企画では、パリオリンピック金メダルを筆頭に数々のビッグタイトルを獲得し、名実ともに卓球界の頂点に君臨する樊振東が、自身の強さのもとになっている基本打法のポイントを丁寧に解説してくれる。
第3回は、ロングボールに対するバックハンドドライブを紹介しよう。
樊振東が身に付けている基本打法、それすなわち、原点にして頂点だ。世界最強の基本打法を、とくとご覧あれ。
※本文の技術解説は右利きプレーヤーをモデルにしています
重心を少し高く保ち、上から振り下ろすイメージでスイングする
樊振東 ロングボールに対するバックハンドドライブは、1回目で紹介したフォアハンドドライブとは違って、スイングは基本的に体の前で完結します。フォアハンドドライブに比べると、フォームも小さくなります。
肩とひじを十分にリラックスさせることが、スイングのコツです。そうするとフォームが安定し、それに伴って打球の安定性も高まります。
ロングボールに対してバックハンドドライブする場合は、重心（腰の位置）を少し高めに取るようにします。そうすると、上から下へラケットを振り下ろすようなイメージでスイングできるので、相手に威圧感を与えやすくなります。
私は、バックハンドドライブを打つときとフォアハンドドライブを打つときとで、グリップ（ラケットの握り）は大きく変えません。これは、今の速い卓球においては、とても大切なことです。
高速のラリー中、グリップを大きく変えないことによって、どこにボールが来てもスムーズに両ハンド（フォアハンドとバックハンド）で対応できるので、打球の威力や安定性が増します。
ロングボールに対するバックハンドドライブ（横から）
ロングボールに対するバックハンドドライブ（前から）
樊振東の強さの要因の1つは、バック対バック（バックハンド対バックハンド）だ。自分から主導権を握るのはもちろんのこと、相手に押されてもはね返すバックハンドは樊振東の大きな武器であり、生命線である。そして、その土台となるのが、今回紹介してくれたロングボールに対するバックハンドドライブだ。
高速化が進む現代卓球で勝つためには、強いバックハンドを身に付けることが必須になる。樊振東が教えてくれたポイントと連続写真を参考にして、自身のバックハンドドライブに磨きをかけてほしい。
樊振東が挙げたポイントのほか、基本的なところでは、ラケットの先を自分の方へ向けるようにバックスイングしたら、そのラケットの先を斜め上へ返すようなスイングを参考にしてほしい。このようなスイングでボールの正面より少し上を捉えると打球に前進回転がかかり、軌道が安定する。打球点はバウンドしてすぐの早いところを狙うことを心掛けよう。
最終回は、ツッツキ（下回転のボール）に対してバックハンドドライブするときのポイントを樊振東が教えてくれる。お楽しみに！
↓動画はこちら
（取材／まとめ＝卓球レポート）
