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プロツアー・グランドファイナル ロンドンで開催 ~馬龍と劉詩文が優勝~

 2011年のプロツアーの最後を締めくくるプロツアー・グランドファイナルが11月24日から27日までロンドンで開催された。
 大会会場になったエクセル・ロンドンは、来年のロンドンオリンピックの卓球競技の会場になるため、プレオリンピックを兼ねた雰囲気の中で行われた。


【男子シングルス】 馬龍が2年ぶり3回目の優勝

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決勝で張継科を倒し3回目の優勝

 男子シングルスは、日本から水谷と岸川が出場権を獲得。2人ともロンドンオリンピックの日本代表に内定している選手だ。しかし、水谷は荘智淵(中華台北)、岸川は張継科(中国)にそれぞれ1回戦で敗れて、上位進出はならなかった。
 今大会は、ボル(ドイツ)以外の世界のトップ選手が出場し、ハイレベルな大会となったが、その中で優勝したのは馬龍(中国)だった。馬龍は1回戦で呉尚垠(韓国)、準々決勝で荘智淵、準決勝で王皓(中国)を破ると、決勝で張継科を倒した。これまでにも増してフォアハンドドライブの威力が増し、特に打球点を落とした状態からでも弾道の低いドライブで攻め返すなど、より攻撃的なプレーを見せた。
 2位の張継科は、岸川に苦戦したもののその後は力の違いを見せつけて、王励勤(中国)、ガオ・ニン(シンガポール)を一蹴。決勝では馬龍に打ち負けたが、それでもほかの選手よりも抜きん出た力があることを証明するようなプレーを見せた。
 なお、3位には馬琳(中国)にせり勝ったガオ・ニンと王皓が入った。


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より攻撃的なプレーを見せた馬龍

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張継科は決勝で馬龍に敗れるもそれ以外は他を圧倒

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1回戦で馬琳にせり勝ったガオ・ニン
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王皓は馬龍に敗れ3位に終わる


【女子シングルス】 劉詩文が初優勝

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決勝で丁寧を倒し劉詩文が初優勝

 女子シングルスは現時点でも世界のトップ選手が勢揃いした。そのため今大会はミニ世界選手権大会と言っていいほど、熾烈でレベルの高い戦いが繰り広げられた。
 日本からはロンドンオリンピックの日本代表に内定している石川、福原、平野の3人が出場。石川は1回戦でウー・ジャデュオ(ドイツ)を4対1で下したが、福原は郭躍(中国)に3対4、平野は劉詩文(中国)に0対4で敗れて初戦突破はならなかった。
 石川は2回戦で丁寧(中国)と対戦。お互いにミドルを攻めてからの展開を取ったら、安定性とボールの威力の差が出て、石川が丁寧にストレートで敗れた。
 優勝したのは劉詩文。今大会の劉詩文は両ハンド攻撃の鋭さが増していた。両ハンドで早い打球点をとらえて攻め続けながらもその中に微妙な緩急をつけるなど、プレーに一回り幅が出ていたように感じられた。
 特に決勝の丁寧との試合では、これまでに見た劉詩文のプレーの中で最も強いと感じさせるほどすさまじかった。
 決勝で敗れた丁寧だが、彼女のプレーが悪かったということはない。むしろ大会を通じてレベルの高いプレーをおこなっていたが、劉詩文がそれを上回ったということだ。
 3位の王越古(シンガポール)は準々決勝で郭炎(中国)に勝ち、準決勝でも劉詩文を苦しめるなど、バック面の表ソフトラバーでのハーフボレーとブロックに磨きがかかっていた。優勝候補の李暁霞(中国)は丁寧にいいところなく敗れた。


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劉詩文は両ハンド攻撃の鋭さで相手を圧倒

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丁寧はレベルの高いプレーを見せるも惜しくも準優勝

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ハーフボレーとブロックが光った王越古
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李暁霞は丁寧にいいところなく敗れ3位に終わる


【男子ダブルス】 馬琳・張継科が同士討ちを制す

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馬琳・張継科が馬龍・王皓を破り初優勝

 男子ダブルスには日本からの出場はなく、出場ペアを見ても中国をのぞけばそれほど強いペアは出ていなかった。しかし、中国ペア同士の対決となった決勝は、目の覚めるようなラリーの応酬があり、中国の底力を改めて感じさせられた。
 馬琳・張継科と馬龍・王皓の決勝は、1対3とゲームをリードされた馬琳・張継科が、5ゲーム目から驚異的なプレーを見せて逆転勝ち。お互いに両ハンドドライブで攻撃をする中、時折見せる馬琳のブロックがタイミングを外す役割を果たして、相手ペアのリズムが崩れて行った。
 中国はロンドンオリンピックのメンバーを考えてダブルスを重視している。今大会も含めてプロツアーなどでいろいろなペアを組ませて、どのペアで行くのかをテストしているといわれている。


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時折見せる馬琳のブロックがタイミングを外し相手のリズムを崩した

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馬龍・王皓は1対3とリードするも惜しくも逆転負け


【女子ダブルス】 郭躍・李暁霞が4年ぶり2回目の優勝

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郭躍・李暁霞が4年ぶり2回目の優勝

 日本からは、福原・石川と藤井・若宮の2ペアが出場した。藤井・若宮は1回戦で石賀浄・梁夏銀(韓国)に2対4で敗れたが、福原・石川は1回戦で鄭怡静・黄怡樺(中華台北)に快勝すると、準決勝で石賀浄・梁夏銀を下して決勝に進出した。
 決勝は、福原・石川と郭躍・李暁霞(中国)の対決になった。好調の日本ペアはラリー戦でも引けをとっていなかったが、どのゲームも中盤以降から点数を離されてしまい、0対4で敗れた。優勝した中国ペアは、基本的なレベルの高さに加えて、長年組み慣れていることでのアドバンテージもあり、世界一の力を持つペアだと言っていいだろう。


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中国ペアは長年組み慣れていることでのアドバンテージがあった

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郭躍・李暁霞に敗れるも福原・石川は準優勝

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好調の日本ペアはラリー戦で食らいつくもストレートで敗れた


【男子21歳以下】 金?鉐が優勝

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金?鉐がチェン・フォンを下し優勝

 男子シングルス21歳以下は、金?鉐(韓国)が優勝。金?鉐はシニアの試合でも頭角を現しており、優勝したことについては驚かないが、台上バックハンドドライブがさらに向上するなど、見るたびに強くなっていると感じた。
 2位のチェン・フォン(シンガポール)はアグレッシブな攻撃で準決勝の李尚洙(韓国)に勝つなど活躍が光った。


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金?鉐は見るたびに強くなっている
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チェン・フォンはアグレッシブな攻撃が光った


【女子21歳以下】 石川が優勝

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石川が田志希を下して優勝

 女子シングルス21歳以下には、日本から石川、森薗、田代の3人が出場。森薗と田代は予選リーグで敗退したが、石川は予選リーグを1位で通過すると、準決勝で李皓晴(香港)を4対2、決勝で田志希(韓国)を4対1で下し、世界ランキング7位の力を見せつけた。
 この種目での石川の敵はプレッシャーだけだった。実力、世界ランキングとものほかの選手を大きく上回っていただけに、負けられないという思いが硬さになってプレーに影響してしまうことが心配だったのではないだろうか。
 しかし、そういったプレッシャーに負けることなく、高い集中力を維持して戦った石川に敵はいなかった。なお、石川は今大会で3種目に出場し、試合数も多かったが3種目全てに力を出していた。


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石川はプレッシャーに負けることなく他を圧倒
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田志希は石川の前に力尽きる


今大会の模様は・・・ ~卓球レポート1月号に掲載~

 本大会の記録は、国際卓球連盟と日本卓球協会ホームページに掲載されています。
 国際卓球連盟 公式HP:http://www.ittf.com
 日本卓球協会 公式HP:http://www.jtta.or.jp

 なお、今大会の模様は 1月号(12/20発売予定)に掲載予定。
 現地取材班:中川学(卓球レポート編集長)

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