7月17~20日まで、愛媛県武道館で開催された第64回全日本実業団選手権大会。実業団(社会人)のチームによって行われる団体戦で、全国各地から企業や役所などが出場している大会だ。 試合は、男子は協和発酵キリンが7年ぶりに優勝し、女子は日立化成が初優勝した。
<男子>
男子は、6連覇中の東京アートを準決勝で下した協和発酵キリンが決勝でシチズンに勝ち、7年ぶり通算10度目の優勝を飾った。協和発酵キリンは新入社員の上田と森本の2人が活躍。上田を単複で安定した力を発揮し、森本は東京アート戦で大矢を下す金星をあげるなど、チームの優勝に大きく貢献した。 また、エースの松平は、シェイプアップされた体になり、これまでに増して動きが良くなるなど、チームをけん引した。 「企業として東日本大震災の復興支援として、選手はこれまでに60回以上被災地をまわりましたが、そこで多くの方に応援してもらいました。今回の優勝で、その方々に少しでも恩返しができたのではないかと思っています。試合では、上田、森本の新人ががんばってくれました」と佐藤監督。 2位は昨年に続いてシチズン。安定した戦いで決勝に勝ち上がったが優勝には手が届かなかった。こちらも新人の加藤が思い切りのいいプレーで活躍。決勝では上田からマッチポイントを奪ったが勝ちきることができなかった。なお、3位には昨年に続いてリコーと東京アートが入った。
<女子>
女子は、実力が上位チームの力が拮抗しているため混戦が予想されたが、準決勝、決勝と3対2の競り合いをものにした日立化成が初優勝した。日立化成は新人の松澤がエースとして起用され、その期待を上回る活躍を見せた。松澤は準決勝で若宮(日本生命)、決勝で高(十六銀行)と相手チームのエースに勝った。松澤の加入により、森薗をラストに置くオーダーが組めるようになったことが大きく、その森薗は準決勝、決勝のラストで勝利した。 「日立化成としては団体戦でとっていないタイトルがこの実業団でした。今大会でそのタイトルをとることができてうれしく思っています。やはり、松澤が入ってくれたことが大きく、いろいろなオーダーを組み立てられるようになりました。日本生命さんとの試合が鍵になると思っていましたが、ラストで森薗がよく勝ってくれました」と内山監督。 2位には十六銀行が入った。準決勝のサンリツ戦はもつれると予想されたが、終わってみれば3対0とストレートで快勝。カットの根本、その根本と大森のカットダブルスの活躍が光った。3位には日本生命とサンリツが入った。
試合の詳細な記録は下記サイトをご覧ください。
日本卓球協会:http://www.jtta.or.jp
今大会の模様は卓球レポート9月号(8/20発売)に掲載されます。