大会最終日は男女シングルスの準々決勝~決勝が行われ、男子シングルスは三部(青森山田)が第1シードの及川(青森山田)を破って勝ち上がってきた木造(愛工大名電)を決勝で破り、念願のインターハイ初優勝を果たした。
<男子シングルス決勝>
三部航平(青森山田) -6,11,8,7,-7,6,9 木造勇人(愛工大名電)
意外なことに、三部がインターハイの最終日(準々決勝)に残ったのは今回が初めて。1年生のときは渡辺(当時・明徳義塾)、昨年は周勝(北陵)に準々決勝進出を阻まれてきた。今大会では5回戦で中ノ瀬(瓊浦)を破ると、最終日も出雲(遊学館)、松山(愛工大名電)と勢いのある選手を連破して決勝に進出。
一方の木造は一昨年の全国中学校大会で優勝している実力者。準々決勝で一ノ瀬(青森山田)を倒すと、準決勝では優勝候補の及川(青森山田)を破る金星を挙げて決勝に進出する。1年生優勝の期待がかかった。
試合は慎重な三部に対して、前陣で思い切りのよい両ハンドドライブを見せた木造が2ゲームを連取。早い打球点でワイドに攻める木造に対して、三部は打球点が下がってしまい苦しい展開に。
第3ゲームは4-1と序盤でリードした三部が、ラリーに持ち込んで粘り強く戦い、取り返すと、第4ゲームも続いて三部。
2対2となるが、木造はアップダウンサービスを見せるなどして展開を変え、再び木造がリード。優勝に王手をかけた。
第6ゲームも大きいラリーに持ち込んで 粘り強く戦う三部が気迫のプレーで取り返し、勝負は最終ゲームへ。
最終ゲームはスパートをかけた木造が5対2とリードしたところで三部がタイムアウト。木造が8-5とリードを保ち優勝に手をかけるが、ここから勝ちを意識したか凡ミスが出て8-8に。三部が浮かせたサービスを木造がレシーブミス。次の1本も三部がサービスで得点してマッチポイントに。木造は1本しのぐも、最後まで集中力を切らさず戦った三部が悲願の初優勝を遂げ、青森山田最後の年を二冠で締めくくった。
■三部航平選手のコメント
「決勝は及川が来ると思って準備していましたが、木造が上がってきたので、ダブルスも昨日負けましたし、シングルスは愛工大名電に優勝を持って行かれたくないと思って頑張りました。
出だしは冷静に行こうと思いすぎて、勢いが足りなくて相手にうまく点を取られて0対2まで行ってしまいました。苦しかったですけど、そこから気持ちを入れ替えて頑張りました。
最終ゲームもリードされて、どこにボールを打っても返ってくる予感がしていてどこにボールを打って良いのかわかりませんでした。負けるかと一瞬思いましたが、観客席を見たら応援してくれている人たちが見えたので最後まであきらめないでやろうと思いました。
最終日に残るかどうかという試合はすごい緊張していて、勝つことができたので、今日も思い切ってプレーしたら結果は突いてくると思ってプレーしました」
<男子シングルス準決勝>
木造(愛工大名電) -5,7,7,7,-6,-5,7 及川(青森山田)
三部(青森山田) 9,8,12,7 松山(愛工大名電)
3位には及川と松山が入った。
及川は昨年のインターハイでは決勝で坪井に敗れたが、全日本選手権大会ジュニアの部では優勝。今大会では第1シードとして優勝候補ナンバーワンの呼び声も高かった。しかし、全日本で勝っていた木造の思い切った速攻に対応できずにあえなく準決勝敗退。決勝進出はならなかった。
松山は準々決勝で弓取(希望が丘)との激しい打撃戦を制して準決勝に進出。高校生らしいフルスイングの両ハンドを思い切り披露してベスト4入りを果たしたが、三部には得意の打撃戦でも上回られ、ストレート負け。しかし、まだ2年生だけに、来年も優勝を狙える1人だろう。
<男子シングルス準々決勝>
及川(青森山田) 10,4,9,10 辻(白子)
木造(愛工大名電) 12,9,-8,7,4 一ノ瀬(青森山田)
松山(愛工大名電) -10,-6,9,7,-10,8,9 弓取(希望が丘)
三部(青森山田) -7,2,-4,2,8,5 出雲(遊学館)
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試合の詳細な記録は下記サイトをご覧ください。
平成27年度全国高等学校総合体育大会:http://www.shiga-soutai2015.jp
全国高等学校体育連盟卓球専門部:http://www.koutairen-tt.net/
今大会の模様は卓球レポート10月号(9/20発売)に掲載予定です。