大会最終日は男女シングルスの準々決勝~決勝が行われ、女子シングルスは田口(正智深谷)が準決勝で牛嶋(正智深谷)、決勝で橋本(四天王寺)とカット主戦型の選手を連破して、涙の初優勝を果たした。
<女子シングルス決勝>
田口(正智深谷) 12、1、-5、6、-7、-11、9 橋本(四天王寺)
バック面表ソフトラバーの田口が橋本のカットに対して辛抱強く戦い、インターハイ女王の座をつかんだ。
今大会の団体戦準決勝でも対戦している両者による決勝は第1ゲームから緊迫した攻防が繰り広げられた。互いに一歩も譲らない緊迫した展開となったが、田口がコースを突いたツッツキやミスの少ないドライブを我慢強く打ち続け、14-12で第1ゲームを先取した。
ジュースの競り合いを制したことで勢いづく田口は続く第2ゲームも橋本を圧倒。11-1でゲームカウントを2対0とした。
これで勢いに乗るかと思われたが、第3ゲームは橋本がスタートから連続ポイントを挙げ、ゲームをリード。多彩なカット技術と回転量の多い投げ上げサービスでリードを保ち、11-5で1ゲームを返した。
続く第4ゲームは、田口がストップとドライブを織り交ぜた攻撃で橋本を前後に揺さぶって好機をつくり出す形がはまり、11-6でゲームを奪取。優勝に王手をかけた。
追いつめられた橋本だったが、ここから脅威の粘りを見せて第5、第6ゲームを連取した。特に第6ゲームは6-9と追いつめられたが、広い守備範囲と甘いボールを両ハンドで攻める姿勢が功を奏して逆転。試合の行方は最終ゲームへと持ち越された。
最終ゲームは中盤までつかず離れずの展開が続いたが、田口の我慢強いカット打ちが橋本の鉄壁の守備を崩して、10-7と先にマッチポイントを奪取した。しかし、土壇場に追いつめられた橋本も勝利への執念を見せて、10-9にまで詰め寄った。勝利の女神はどちらに微笑むのか。会場全体の視線が二人に注がれる中、最後は田口のフォアハンドドライブが橋本のオーバーミスを誘い、前日のダブルスに続く単複2冠を達成した。ベンチに戻ると、溢れ出る涙を抑えることができず、昨日のダブルスと同様に喜びの涙で高校最後の夏を終えた。
■田口瑛美子選手のコメント
「決勝ではバックハンドでボールを押し込むことができ、そこからチャンスをつくることができました。加えて、橋本選手はバック面にツブ高ラバーを貼っているので、バックにドライブを打ち、回転のかかったカットをフォア前に返球してそのあとのボールを再びドライブするなど、ボールに長短をつけるという戦術がうまくはまりました。また、回転量の多いカットに対しては無理して打つことをせずにしっかりとつなぐようにしました。
試合は3-1でリードしていて3-3となりましたが、『まだもう1ゲームある』と自分に言い聞かせて、気持ちを切り替えてプレーができたことが良かったです。最終ゲームの終盤、10-7から10-9になったときに少し焦りがありましたが、強気のプレーを崩さずに戦ったことで勝つことができました。初戦から決勝まで厳しい戦いの連続でしたが、大事な局面で弱気になることなく、強気でプレーできました」
<女子シングルス準決勝>
田口(正智深谷) 8、8、-6、5、-2、6 牛嶋(正智深谷)
橋本(四天王寺) 7、8、-9、-8、5、-7、5 芝田(四天王寺)
準決勝は2試合とも同じ学校の選手による同士打ちとなり、それぞれ田口と橋本が決勝に進出した。
牛嶋はお互いの手の内を知っている中で、フォアハンドの強打や横回転を入れたカットなど多彩な技術で田口に迫ったが、コースを的確に打ち分ける田口の前に惜しくも準決勝敗退となった。
橋本と対戦した芝田は必死のプレーで食らいつき、最終ゲームまで持ち込んだが、橋本の驚くべき守備範囲の前に決勝に進むことができず。最後のインターハイはベスト4という結果で終わった。
<女子シングルス準々決勝>
田口(正智深谷) 13、3、-9、6、6 三條(四天王寺)
木村(四天王寺) 11、-2、-9、-6、6、11、-12 牛嶋(正智深谷)
橋本(四天王寺) 8、-13、-6、-4 山本(福井商業)
芝田(四天王寺) -8、10、7、10、-8、9 平(正智深谷)
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試合の詳細な記録は下記サイトをご覧ください。
平成27年度全国高等学校総合体育大会:http://www.shiga-soutai2015.jp
全国高等学校体育連盟卓球専門部:http://www.koutairen-tt.net/
今大会の模様は卓球レポート10月号(9/20発売)に掲載予定です。