WTTチャンピオンズ 仁川が、韓国の仁川にあるインスパイアアリーナで4月1〜6日に開催。WTTにおいて、チャンピオンズはスマッシュ、ファイナルズに次いでグレードの高い大会で、男女それぞれ32名のトップ選手が集い、シングルスの優勝を争う。
卓球レポートでは現地に取材班を派遣し、熱戦の模様をお伝えする。
大会5日目の4月5日は女子シングルス準々決勝が行われ、ベスト4が決定。張本美和が蒯曼(中国)に勝利し、ベスト4進出。伊藤美誠は陳幸同に敗れ、ベスト8に終わった。
※写真は張本美和
▼女子シングルス準々決勝の結果
張本美和(日本) 4(8,7,6,7)0 蒯曼(中国)
朱雨玲(マカオ) 4(-8,-9,9,7,8,9)2 大藤沙月(日本)
王芸迪(中国) 4(8,3,9,-8,3)1 申裕斌(韓国)
陳幸同(中国) 4(6,-9,-7,6,9,9)2 伊藤美誠(日本)








張本美和(日本)はベスト4をかけて蒯曼(中国)と対戦。競り合いが予想された注目の次世代エース候補対決だったが、張本が蒯曼をストレートで退け、ベスト4へ勝ち上がった。
この試合の張本の両ハンドは力強かったが、特に圧巻だったのがフォアハンド。バックハンドが固くて強い蒯曼に対し、「止めてみろ」と言わんばかりに強烈なフォアハンドを連発し、蒯曼の堅陣を打ち抜いた。
「この大会で試合前に1番緊張しました。それでも、準備もたくさんできましたし、それを生かすことができて良かった。(準決勝は)どちらが勝っても強い選手なので、自分の準備をしっかりして明日に備えたい」と張本。球威が増した両ハンドで、明日はWTTスターコンテンダー チェンナイに続く連覇を目指す。
2回戦でスッチ(ルーマニア)に快勝し、さらなる上位進出が期待された大藤沙月は、朱雨玲(マカオ)に敗れ、4強ならず。持ち前の躍動感あふれる両ハンドで第1、第2ゲームを連取し、ペースを握ったかに見えた大藤だったが、第3ゲーム以降、元中国代表で世界卓球女子シングルス準優勝の朱雨玲が本領を発揮。大藤のサービスとコース取り、球威に慣れてきた朱雨玲は、鉄壁の両ハンドでしのぎつつ、効果的に大藤のフォア側を突いて4ゲームを連取し、4強へ勝ち上がった。
序盤はペースを握った大藤だったが、中盤から朱雨玲に対応され、かなりリスクを負って強打しないと得点できない苦しい展開から抜け出せなかった。
王芸迪(中国)対地元韓国の申裕斌(韓国)の準々決勝は、ゲームカウント4対1で王芸迪が勝利し、第1シードを守って準決勝進出。試合はバック対バックを中心とした前陣での打ち合いになったが、安定感と球威でまさった王芸迪が、十八番の強烈なバックハンドフリックもたびたび決めて申裕斌を押し切った。
一方、会場の声援に応えたい申裕斌も両ハンドで必死に応戦したが、王芸迪の充実のプレーの前に1ゲームを奪うにとどまった。
陳幸同(中国)対伊藤美誠(日本)はゲームカウント4対2で陳幸同が勝利し、ベスト4進出。伊藤の猛攻に防戦一方に追いやられる時間帯もあったが、勝負どころでしっかり反応して競り勝った。
一方、敗れた伊藤も目の覚めるような連打で陳幸同を攻め立て、場内を大いに沸かせたが、勝負どころで仕掛けたスマッシュがコートをそれ、惜しくも勝利に届かなかった。
▼女子シングルス準決勝の組み合わせ
王芸迪(中国) - 朱雨玲(マカオ)
張本美和(日本) - 陳幸同(中国)
詳しい記録はこちらから
WTT大会関連ページ:https://worldtabletennis.com/eventInfo?selectedTab=Matches&innerselectedTab=Completed&eventId=3087
(取材=卓球レポート編集部)