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近くて...しかし遠かったゲームポイント

17-wc-by-18.jpg男子ダブルス2位の大島(右)/森薗


<男子ダブルス決勝> 樊振東/許昕(中国) 9, 14, 9, -6, 11 森薗/大島


 1961年世界北京大会(星野展弥/木村興治)以来の男子ダブルス優勝を目指した大島/森薗。そのチャンスは、決勝の樊振東/許昕戦で「ゲームセット」のコールを聞く、その瞬間まであった。
 この試合、第1ゲームの終盤は9対8でリード、第2ゲームは3度のゲームポイントを握り、第3ゲームは9対7でリードしていた。しかし、これらのいずれのゲームも奪い取ることができなかった。
 あと1点、あと1回の返球、あと数センチのボールコントロール......。世界トップレベルのきわどいラリーの中で、選手たちはぎりぎりの、ほんのわずかな差で得点を奪い合い、勝敗を決していく。その両者の全力のプレーに「たられば」の余地がないことは承知している。それでも今日の試合はこう言いたい。
「スタートからの3ゲームのうち、1ゲームでも取ることができていれば」
 コートサイドで大島/森薗の躍動感あふれるプレーを目の当たりにし、選手たちの表情や息遣いを感じ、両ベンチからの熱のこもった檄を聞き、そう思った。それほど大島/森薗は世界一に迫っていた。
 1-3と劣勢に立たされた5ゲーム目も、10対8でリード。もうすぐそこにあって、奪えそうでいて、しかしどうしても奪うことができなかったゲームポイント。
 男子ダブルス決勝で「優勝」と「2位」を分けたもの。それは、ほんの少しの、わずかな差だった。しかし、そのわずかな差によって分けられる「勝者」と「敗者」の歴然たる差。世界の頂点を決する男子ダブルス決勝は、かくも厳しいものだった。(敬称略)(編集長)




今大会の模様は卓球レポート7月号(6月20日発売)に掲載

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