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卓レポ名勝負セレクション 
世界卓球2024釜山の軌跡 Select.20 
サマラ(ルーマニア) 対 メシュレフ(エジプト)

 卓球レポートは国内外のさまざまな大会へ足を運び、およそ半世紀にわたり、あまたの熱戦を映像に収め続けてきた。その膨大な映像ストックの中から、語り継がれるべき名勝負を厳選して紹介する「卓レポ名勝負セレクション」。
 今シリーズでは、2月に韓国の釜山で開催された第57回世界卓球選手権大会団体戦(以下、世界卓球2024釜山)で繰り広げられた激闘の軌跡をたどる。
 今回は、女子団体決勝トーナメント2回戦のルーマニア対エジプトの2番、サマラ(ルーマニア)対メシュレフ(エジプト)の名勝負をお届けしよう。

■ 観戦ガイド
サマラのラリー力VSメシュレフの前陣攻守
互いの持ち味がかみ合った名勝負の行方は?

 世界卓球2024釜山で注目を集めた個人の好カードとして、今回はサマラ(ルーマニア)対メシュレフ(エジプト)の試合をセレクトする。
 女子団体の予選グループ7を首位通過し、決勝トーナメントのシードを獲得したルーマニアは、グループ8を2位通過し、決勝トーナメント1回戦でチリに快勝したエジプトと2回戦で対戦。
 1番は最近好調のスッチ(ルーマニア)が新鋭のゴーダ(エジプト)を退け、ルーマニアが先制する。
 続く2番で、今回取り上げるサマラ対メシュレフの対戦を迎えた。

 サマラは34歳のベテランで、ジュニア時代から長きにわたってルーマニアをけん引してきた選手だ。過去に日本代表の前に幾度も立ちはだかり、また、Tリーグの創設から5シーズン参戦していることからも、日本の卓球ファンにとってなじみのあるヨーロッパ選手の一人ではないだろうか。
 サウスポー(左利き)のシェーク攻撃型で、安定した両ハンドをベースに前陣でも台から離れた後陣でもプレーできるため、ラリー戦に抜群の強さを誇る。昨年行われたヨーロッパ競技大会の女子シングルスで3位に入っており、まだまだ力は衰えていない。

 対するエジプトのエース、メシュレフは、アフリカ大陸の主要タイトルをほぼ手中に収めてきたアフリカの絶対女王だ。昨年9月に行われたアフリカ選手権大会女子シングルスでは若手有望株のゴーダに優勝を譲ったが、決勝まで危なげない勝ち上がりを見せており、世界ランキングも27位とアフリカ選手の中で最も高い。
 サウスポーのシェーク攻撃型で、多彩で精度の高いバックハンドを柱とした前陣攻守を得意とする。
 
 サマラがYGサービス(逆横回転系サービス)から両ハンドドライブで攻め込み、それをメシュレフがバックハンドを軸とした前陣攻守でさばく。試合は序盤から両者の持ち味がぶつかり合って好ラリーが続出する接戦になるが、厳しいコースへのバックハンドで要所を物にしたメシュレフがゲームカウント2対0と王手をかける。
 メシュレフのバック側にボールを集めるとバックハンドで主導権を握られてしまうため、フォア攻めに活路を見いだそうとするサマラだが、メシュレフの少しくせのあるフォアハンドにも押されて追い込まれてしまう。
 このままメシュレフが勝ちきってエジプトが試合を振り出しに戻すか。そう思われた第3ゲーム、サマラがミドル攻めを起点に追い上げを開始する。
(文中敬称略。年齢、世界ランキングは大会時)

↓動画はこちら

(文/動画=卓球レポート)

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