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卓レポ名勝負セレクション 
世界卓球2024釜山の軌跡 Select.26 
樊振東(中国) 対 松島輝空(日本)

 卓球レポートは国内外のさまざまな大会へ足を運び、およそ半世紀にわたり、あまたの熱戦を映像に収め続けてきた。その膨大な映像ストックの中から、語り継がれるべき名勝負を厳選して紹介する「卓レポ名勝負セレクション」。
 今シリーズでは、2月に韓国の釜山で開催された第57回世界卓球選手権大会団体戦(以下、世界卓球2024釜山)で繰り広げられた激闘の軌跡をたどる。
 今回は、男子団体準々決勝の中国対日本の1番、樊振東(中国)対松島輝空(日本)の名勝負をお届けしよう。

■ 観戦ガイド
日本期待の松島が世界ナンバーワンの樊振東に挑む
新たな才能と王者の意地のぶつかり合いは興奮必至

 世界卓球は、今の卓球の最先端に触れ、知見を深める重要な機会だが、新たな才能の出現に立ち会えることも醍醐味(だいごみ)の一つだ。その点で、今回取り上げる樊振東(中国)対松島輝空(日本)は、世界中が次代の旗手を認知する一戦になった。

 世界卓球2024釜山で11連覇の偉業を目指す中国は、予選リーグを全勝で難なく通過すると、決勝トーナメント2回戦でルーマニアをストレートで退け、順当に準々決勝まで駒を進めてきた。
 一方、前回の世界卓球2022成都に続いて2大会連続のメダルを目指す日本も、予選リーグで強敵の中華台北との激戦を制して全勝で通過すると、決勝トーナメント2回戦ではオーストリアをストレートで下し、準々決勝で中国と相まみえた。
 中国と日本は前回の準決勝で対戦しており、その時は日本が2対2のラストまで迫って中国を追い詰めるも振り切られた。今大会の日本はここまで、前回に負けず劣らず充実したプレーを見せており、悲願の中国越えに期待がかかる。

 注目の一戦で日本の先陣を託されたのは、16歳の松島。幼少の頃から各年代の主要な全国タイトルを総なめにしてきた松島は、昨年のWTTコンテンダー リオデジャネイロで名だたる強豪を連破して決勝に進出するなど、シニアでも頭角を現し始めた日本期待の逸材だ。今大会でも、予選リーグ首位通過をかけた中華台北戦の3番で荘智淵との激闘を制するなど、世界卓球初出場とは思えない堂々たるプレーを続けている。

 受けて立つ中国のトップは、エースの樊振東だ。世界卓球2021ヒューストン世界卓球2023ダーバンと世界卓球の男子シングルスを連覇し、世界ランキングは堂々の1位。名実ともに世界最高の選手である。

 世界王者に対して松島がどこまで迫ってくれるのか。樊振東の勝ちは揺らがないという大方の前提で始まった第1ゲームは、松島が果敢に攻め込むも、樊振東が両ハンドでしっかり受け止め、10-7とゲームポイントを握る。
 松島がこれだけ攻め立てても動じない樊振東はやはり強い。そう思った刹那、松島が得意のチキータをさく裂させて第1ゲームを逆転で奪うと、樊振東勝利の予定調和にゆるみそうになった場内の空気が一気に引き締まっていく。
 世界王者を向こうに回し、臆することなく攻め込む松島と、横綱よろしく新鋭の猛攻をどんと受ける樊振東。新たな才能と王者のプライドが激しくぶつかり合う、実にエキサイティングな名勝負だ。
(文中敬称略。年齢、世界ランキングは大会時)

↓動画はこちら

(文/動画=卓球レポート)

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