卓球の世界へ、ようこそ!
この特別企画では、これから卓球を始める初心者の方に向けて、押さえておきたい卓球の基本的な知識と技術を紹介していきます。初心者必見のこの特別企画で、卓球が上達するための、そして卓球をより楽しむための土台をつくってください。
前回はラケットを紹介しました。今回は、ラバーについて学びましょう。
<今回のもくじ>
・「ラバー」にも、さまざまな種類がある
・ラバーにはいろいろな厚さ、硬さがある
「ラバー」にも、さまざまな種類がある
卓球は木材のラケットに、ゴムでできた「ラバー」を貼り合わせて相手とボールを打ち合います。
ラバーには、よく弾むラバーから変化ボールが出しやすいラバーまで、いろいろな性能を備えたラバーがあります。自分に合う1枚を選ぶためには、それぞれのラバーの性能を知ることが不可欠です。
ラバーは多種多様ですが、その中でもよく使われているラバーは、次の3つです。
裏ソフトラバー(裏ラバー)
表ソフトラバー(表ラバー)
ツブ高ラバー
それでは、この3つのラバーの特徴を学んでいきましょう。
裏ソフトラバーを知ろう!
裏ソフトラバーは回転がかけやすい
現在の卓球は攻撃型の選手が大勢を占め、ほとんどの選手が裏ソフトラバー(裏ラバー)を使っています。
ラバーは「シート」と「スポンジ」でつくられていて、裏ソフトラバーはシートの表面(打球する面)が平らになっています。シートとスポンジの特性や組み合わせによって特徴が変わってきますが、総じて回転がかけやすく、コントロールしやすいラバーです。
初めて卓球をする初心者の方にお勧めのラバーです。
お勧めラバー:スレイバーEL
表ソフトラバーを知ろう!
表ソフトラバーはスマッシュの爽快感が味わえる
表ソフトラバー(表ラバー)は、表面(打球する面)にツブがあるのが外見的な特徴です。性能の面では、裏ソフトラバーに比べるとボールとラバーが接する面積が小さいので、「相手の回転の影響を受けにくい」という特徴があります。
台に近い位置で、スマッシュ(ボールを強くたたくように打つ技術)を中心とした速攻をしたい方にお勧めのラバーです。
お勧めラバー:チャレンジャー アタック
ツブ高ラバーを知ろう!
ツブ高ラバーはさまざまな変化ボールが出せる
ツブ高ラバーは、表ソフトラバーよりもラバー表面のツブが細長いのが特徴です。ボールを打ったときに、ラバー表面の細長いツブが変形することで、さまざまな変化ボールを出すことができます。主に、シェークハンドラケットや反転用ペンホルダーラケットの片面にツブ高ラバーを貼り、もう片面に裏ソフトラバーを貼って、両面のラバーによる球質の違いを生かしてプレーします。
カット(台から距離を取って下回転をかける技術)に挑戦したい方や、台に近い位置で守りを中心にプレーしたい方にお勧めのラバーです。
お勧めラバー:フェイント ソフト
ラバーにはいろいろな厚さ、硬さがある
ラバーには、いろいろな厚さや硬さのものがあり、厚さや硬さの違いによって性能が変わってきます。その性能の違いを知っておくことは、自分に合うラバーを選ぶために欠かせません。
ここでは、「ラバーの厚さや硬さの違いで、何が変わるのか」を学びましょう。
ラバーの厚さについて知ろう!
ラバーには、段階的にいろいろな厚さがあります。バタフライのラバーの厚さは、薄い方から順に下のような種類があります。
超ゴクウス(スポンジの厚さ0.4~0.7mm)
ゴクウス(スポンジの厚さ0.8~1.1mm)
ウス(スポンジの厚さ1.1~1.3mm)
中(スポンジの厚さ1.5~1.7mm)
アツ(スポンジの厚さ1.7~1.9mm)
トクアツ(スポンジの厚さ1.9~2.2mm)
MAX(シートを含む全体の厚さ3.8~4.0mm未満)
同じ種類(商品)の中で比べた場合、ラバーは厚いほどよく弾みます。また、ラバーは厚くなるほど相手の打球の回転の影響を受けにくくなります。ただし、ラバーは厚くなるほど重くなります。
一方、ラバーは薄くなるほど、あまり弾まず、ボールの回転に敏感になります。そのため、サービスを出すときに回転をかけやすくなります。初心者の段階で、あまり回転がかかっていないボールを打ち合う場合は、薄いラバーの方がコントロールしやすいでしょう。
また、ラバーの中にはスポンジなしのものもあります。スポンジなしのラバーは一般に「一枚ラバー」と呼びます。
初心者の方は、「中」または「アツ」を選ぶとよいでしょう。
初心者は、スポンジが軟らかめのラバーがお勧め
ラバーに使われているスポンジには、さまざまな硬さのものがあります。
ラケットとの組み合わせやスイングの速さによって一概には言えませんが、一般に、初心者の方はスポンジが軟らかめのラバーを選ぶとよいでしょう。スポンジが軟らかいラバーは、スイングが遅くても打球したときにボールがラバーに深く食い込み、ボールが飛び出す方向が定まりやすくなります。
一方、スポンジが硬いラバーは、スイングが速くないとボールをラバーに深く食い込ませることが難しいため、初心者の方にとってはコントロールが難しいといえます。
今回は、卓球のラバーの基礎知識をお届けしました。次回は、ラケットとラバーの貼り合わせ方についてお届けします。お楽しみに。
モデル=松島輝空(木下グループ)
まとめ=卓球レポート編集部