~宮﨑強化本部長に聞く日本の強化策~
最前線の現場で行われているさまざまな強化策について、日本卓球界の強化の長である宮﨑義仁強化本部長に聞く新企画。1回目は、世界卓球2018ハルムスタッドに臨む日本代表選手たちの直前の活動について尋ねた。
●世界卓球に向けてバールベリでミニ合宿と親善試合を行う
男子は現地時間の4月25日に、「荻村伊智朗メモリアルマッチ」と題してスウェーデンチームと親善試合を行いました。荻村さん(元世界チャンピオン)は現役を引退されてから、さまざまな国で卓球の強化と普及に尽力されました。スウェーデンもその一つで、現地で荻村さんの名はかなりの知名度があります。日本から遠く離れた地で荻村さんの名を冠した親善試合が行われ、それが国の代表レベルの試合であったことは、荻村さんの後進としてとても誇らしく喜ばしいことだと思います。
親善試合は、場内のスクリーンに荻村さんのメモリアル映像を放映後、両国の国家斉唱で始まりました。試合は変則方式で、最初の3試合は5ゲームスマッチ、4番、5番は3ゲームスマッチでした。
日本は張本智和(JOCエリートアカデミー)、松平健太(木下グループ)、大島祐哉(木下グループ)の世界代表組に加え、トレーナーとして同行している木造勇人(愛工大)の4人が出場し、結果は3対1で日本代表がスウェーデン代表に勝利しました。
日本の中軸として活躍が期待される張本はトップで出場し、昨年末にイタリアで行われた世界ジュニア選手権大会男子シングルスで2位に入ったT.モアガルドと対戦しました。試合はゲームオールまでもつれましたが、勝ち切ったところに進境のあとが見られます。続く2番の松平がJon.パーソンに勝ち、3番の大島はエース格のM.カールソンに敗れましたが、4番で木造がT.モアガルドにしっかり勝ちました。日本としては、上々の結果だったと思います。
私たちは、ナショナルチームの選手たちのレベル向上を目的として、打球練習や体力トレーニングにとどまらず、さまざまな試みを行ってきました。選手たちは、必ずやその成果をハルムスタッドで見せてくれると信じています。
(取材=猪瀬健治)