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水谷隼に聞く 37 令和元年度の全日本卓球

 

 男子シングルス10度目の優勝を成し遂げた2019年1月の全日本卓球選手権大会で、「全日本は今年で最後」と宣言した水谷隼選手(木下グループ)。その後、卓球レポートのインタビューで、目の状態が思わしくないことを明かした。

 そして、今年1月の全日本卓球選手権大会では、水谷選手は男子ダブルスにのみ出場し、男子シングルスには出場しなかった。

 水谷選手が全日本卓球選手権大会の男子シングルスに初めて出場したのは、中学校1年生の時。翌年、中学2年生でランキング入り(ベスト16入り)し、高校1年生でベスト8入りした。そして、高校2年生の時、17歳7カ月という史上最年少(当時)で全日本チャンピオンになると、昨年まで13回連続で決勝の舞台に立ち続け、10度の優勝を成し遂げた。この10年以上、全日本卓球選手権大会の中心には常に水谷隼がいた。

 自分が(男子シングルスに)出場しない全日本とは、どういう感じだったのか。そんな問いを「疲れなかった」とユーモアでかわした水谷選手。そこで、問いを重ねてみた。もし出場していたら、どうなっていたと思う?

「分からないですね。もしかしたら優勝していたかもしれないし、もしかしたら1発目で負けていたかもしれない」

 水谷選手が目の不調を明かしてくれたのは1年前だが、現在も目の状態に特段の変わりはない、つまり、症状は改善されていないという。だが......
 優勝していたかもしれない。淡々と述べる声を聞き、期待が頭をもたげる。
 水谷選手には、世界を相手にした戦いが待っている。水谷選手の素晴らしいパフォーマンスを心待ちにしたいと思う。

取材=猪瀬健治 文=川合綾子

水谷隼、全日本決勝を語る

全日本史上に残る激戦になった、宇田幸矢選手(JOCエリートアカデミー/大原学園)と張本智和選手(木下グループ)の男子シングルス決勝。その攻防を、全日本を10度制した水谷隼選手(木下グループ)が圧倒的な分析力と説得力で、鮮やかに解説するスペシャル企画です。
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