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第26回 バックハンドカウンタードライブを究める!(宇田幸矢)

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今回の達人 宇田幸矢(JOCエリートアカデミー/大原学園)
勝つためのテクニックを達人がレクチャーする「究める」シリーズ。今回は、宇田幸矢がバックハンドでのカウンタードライブを究めるためのポイントを伝授する。


 攻撃的に進化を続ける現代卓球で勝つためには、相手のドライブをカウンターで打ち返せるかどうかが、勝敗の大きな鍵を握る。
 前回は、カウンタードライブを大きな武器にする宇田選手が、バック側に来たドライブに対して回り込んでフォアハンドでカウンタードライブするポイントを紹介してくれた。バック側にドライブが来たケースでは、回り込みフォアハンドカウンターは決定力の高い技術だが、フォアハンドだけでなく、バックハンドでもカウンタードライブできると戦い方の幅が大きく広がる。
 そこで、今回の究めるシリーズは、宇田選手がバック側に来たドライブに対して、バックハンドでカウンタードライブする時のポイントを教えてくれる。

※本文の技術解説は左利きプレーヤーを想定しています

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達人からのアドバイス
 バック側に来たつなぎのドライブに対しては、基本的に回り込んでフォアハンドでカウンタードライブしますが、常に安定するとは限りません。試合によってはフォアハンドの調子が悪い時があります。その時の対処法として、バック側に来たドライブに対するバックハンドでのカウンタードライブを身に付けておく必要があります。
 僕は、フォアハンドの調子が悪い時はフォアハンドを控え、あえてバックハンドでのカウンターを多く使って相手を揺さぶります。

 バック側に来たドライブをバックハンドでカウンターするパターンは、前回紹介したフォアハンドでカウンターするパターンと同じで、主にサービスを出した後の3球目で使います。
 前回同様、このパターンを使う時も「相手がこちらのバック側にドライブしてくるようなコースにサービスを出す」ことが先決です。
 左利きの僕が右利きの相手にこのパターンを使う時は、相手コートでの2バウンド目が右利きの相手のフォア側のサイドラインからぎりぎり出るハーフロングサービスを出します。このコースにサービスを出すと、相手はこちらのバック側にドライブでつないでくる可能性が高くなるので、このパターンを成功させやすくなります。

 サービスを出したら台から少し距離を取り、ラケットを十分に振れるように構えます。

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達人からのアドバイス
 サービスを出した後、台から距離を取って構え、相手がこちらのバック側にドライブでつないでくると分かったら、ひじを突き出しながら手首を大きめにひねってバックスイングを取ります。この準備から、ひじを支点にしてラケットを斜め上に振り抜き、相手のドライブをバックハンドドライブで打ち返します。

 僕がこの技術を行う時に特に意識しているポイントは、「早い打球点を捉える」ことです。バックハンドは、フォアハンドのように振りかぶって力をためることができないので、早い打球点を捉えないと威力が出ないからです。
 このポイントを踏まえ、このパターンを行う時は、サービスから打球までの一連の準備動作を素早く行って、ボールのバウンドが頂点に達する前の早い打球点を狙うよう心掛けています。

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達人からのアドバイス
 最後に、バックハンドのカウンターを成功させるために、僕が大切にしているイメージを二つ紹介します。
 
 一つは、「ボールを薄く捉える」ことです。このケースでカウンターするのはつなぎのドライブですが、つなぎとはいえ回転量はかなりあります。そのため、ボールの正面あたりを「厚く」捉えてしまうと、ドライブの回転の影響を受けて打球がオーバーミスしやすくなります。
 そこで、僕がこの技術を行う時は、ラケットの打球面をかぶせ、ボールの正面より上の方を「薄く」捉えるイメージで打球します。

 ボールを薄く捉えることとあわせて、この技術を安定させるために僕が心掛けているもう一つのイメージは、「ひじを横に抜く」ことです。「ひじを横に抜く」とは抽象的な表現ですが、「ひじを前に出さないよう注意して、横に動かしてスイングする」と言い換えることができると思います。
 ひじを前ではなく、横へ抜くように動かすと、それに伴ってラケットを横方向へ振り抜くことができるので、「相手のドライブの回転を抑えやすい」「打球の飛距離を抑えやすい」などのメリットが生まれます。

 バックハンドでのカウンターをミスする時の大半はオーバーミスです。この技術を行おうとするとオーバーミスが多いという選手は、ぜひ「ボールを薄く捉える」「ひじを横に抜く」の二つのイメージを持って練習してみてください。


(取材/文=猪瀬健治 写真=佐藤孝弘 動画=小松賢)

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