「ちょい足し!」は、誰もが気軽に実践できる技術向上のためのちょっとしたコツを、トップ選手たちが先生になってピンポイントで教えてくれる企画です。
今回は特別編として、琉球アスティーダのメンバーが参戦してくれました。平野友樹、吉村真晴、有延大夢、松山祐季の4選手が、それぞれ自分にちょい足ししたい技術を挙げ、メンバーに教えを請います。
特別編の2回目は、有延大夢選手の「ブロックを安定させたい」というリクエストに対し、平野友樹選手がちょい足しポイントを紹介してくれます。
※本文の技術解説は右利きプレーヤーをモデルにしています
「チキータできないときに、ツッツキからのブロックを安定させたい!」(有延大夢)
有延:僕の悩みは、レシーブのときです。ラリーに持ち込めば点数になりそうだなという試合展開にもかかわらず、「レシーブやレシーブからの4球目で失点してラリーまで持ち込めない」というのは僕にとってあるあるなんです。
特に多いのが、フォア前に来たサービスをチキータできないとき。そのときに、相手のバック側にいったんツッツキでレシーブし、相手がこちらのバック側に持ち上げてきたボールに対して、ミスなくブロックで返球できるようになりたいです!
吉村:フォア前に来たサービスは、ツッツキじゃなくて、ストップで相手の攻撃を封じた方がいいと思うけど。
有延:え!?
平野:大夢(有延)はツッツキしてるイメージない。
吉村:ツッツキ下手だよね。
平野:ツッツキ下手だよ。
松山:ツッツキ下手ですね、確かに。
有延:だから(ツッツキ)していきたいの!していきたいんです、これから!
吉村:まあでも、フォア前はストップできたらベストじゃない?そのへんどう?
松山:できたら最高ですよね?
有延:最高だけど(苦笑)。それは最高なんですけど、ちょい足しって「意見」じゃないんですよ。技術に対するアドバイスなんですよ!もう、どうしてこうなる?
吉村:前置き長いけど、結局どうしたいの?(笑)
有延:最初から言ってるじゃないですか!フォア前に来たサービスをチキータできないときに、相手のバック側にツッツキして、こちらのバック側に打たれたボールをしっかり入れたい。1回じゃなくて、2回は入れたいです。それ、やりましょう!
吉村:フォア前をツッツキした後のブロックね、OK。誰に教えてほしいの?
有延:こういうパターン、友樹さん(平野)結構うまいので、友樹さんで!
吉村:確かに!友樹さん、(ものまねしながら)鬼の形相でやってそう(笑)
平野:馬鹿にしたら絶対に教えない。
有延:お願いします!
平野:フォア前からリズムが崩れている感じだね。
吉村:確かに。フォア前が遠そう。フォア前に行くときに手が伸びているから戻りが中途半端。しっかり(右足がフォア前に)入った方が次のリズムが取れる。
有延:OK、リズムですね。
平野:それと、大夢の場合、(バック側で)ブロックするときに左足を後ろに引いちゃってる。そうすると、ボールとの距離感がつかめなくなるので、ゆるい(遅い)ボールが来たときに安定しなくなると思う。
有延:なるほど、左足で我慢ですね!
平野:智和(張本智和/木下グループ)を見ても、左足を踏ん張ってスイングしているからね。
有延:分かりました!意識してみます!
--試そうとしたところ、相手役の吉村選手に逆(フォア側)を突かれてノータッチ
一同:絶対やられるって、今のタイミングは!(大爆笑)
松山:今のは僕でも分かったっす!
有延:今の僕の頭の中、言っていいですか?体の左側に、今流行のなんでしたっけ、あれ?あ、アクリル板です、アクリル板!それを体の左側に置いてあるイメージでドライブを待ってました。だから(笑)
--気を取り直して、ちょい足しポイントを実践
有延:おお、いい感じですね。
平野:いいね。ということで、大夢に送るちょい足しポイントは「左足を止めて壁をつくって打球する」ことです。
【ちょい足し!前&後】
有延大夢のフォア前をツッツキした後、ドライブをバックハンドブロック
「『何本でも打ってこい!』そんなイメージが持てました」(有延大夢)
有延:いろいろありましたけど、左足を動かさずに壁をつくるというちょい足しポイントを教えていただき、勉強になりました。
平野:真晴(吉村)にバック側何本も抜かれていたけどな(笑)
有延:確かに、すごいの何本かありました(笑)。でも最後の方は何本でも打ってこいよ、止めるぞと。そんなイメージを持つことができました。ありがとうございました!
前回の松山選手以上に、イジりにイジられた有延選手でしたが、最後は平野選手が教えてくれたちょい足しポイントに手応えをつかんだようです。
ブロックは、有延選手のようなトップレベルだけでなく、どのレベルの選手にとっても欠かせない技術です。ぜひ、紹介したちょい足しポイントを参考にして、ブロックの安定性を磨きましょう。
ちょい足し前後の違いが一目瞭然で、ボケとツッコミが入り乱れるコントかと思うような大爆笑動画も、ぜひご覧ください。
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(取材/まとめ=卓球レポート)