木下マイスター東京、リベッツ岡山、琉球アスティーダの3チームと対戦した感触から、T.T彩たまの坂本竜介監督が各チームの戦力を分析するとともに、今後のTリーグのさらなる発展のために何が必要か、チームの運営にも深く関わる立場からの提言もしてもらった。



抜群の総合力の高さで木下マイスター東京
団体戦に強い岡山リベッツ、爆発力の琉球アスティーダ
木下マイスター東京と開幕戦で対戦して、やはり、張本が圧倒的に強いと感じました。張本以外に(水谷)隼、(松平)健太、大島(祐哉)というメンバーですから、誰が見ても総合的な戦力レベルは抜群に高いですね。
ただ、隼に関しては、鄭榮植が分は悪くないので、隼に鄭榮植を当てることができれば、うちのチームが勝つ確率はかなり高くなるはずです。黄鎮廷も隼とはいつも競るのでやってみないと分からないですし、ダブルスと隼から1点取ることができれば勝機はありますね。
岡山リベッツは上田、吉田、森薗、(吉村)和弘と日本人選手のレベルが高いし、最後まであきらめない選手がそろっているので、団体戦を戦う上では強いチームですね。そこに李尚洙が加わるとなれば、彼もガッツがありますから、対戦相手は相当やりづらくなると思います。選手たちのまとまりがあって、チームとして1番怖いのは岡山かもしれません。
琉球アスティーダは(丹羽)孝希、荘智淵、陳建安がいて、有延も強いし、カットの村松もいる。安定感には欠けるかもしれませんが、爆発力はありますよね。パフォーマンスが1番高いときのこのチームは強いと思いますよ。対戦相手としては調子に乗せたくないですね。
卓球ファンのみなさんには卓球人として
一緒にTリーグを作り上げていってほしい
Tリーグも各チームも全員が初めての試みだから、楽しいこともたくさんあるけど、うまくいかないこともたくさんあります。でも、みんな卓球が好きで、運営陣も選手も頑張っているので、賛否両論あると思うけど、お客さんにも頑張って応援してほしいし、みんなで協力して一緒にTリーグを作り上げていくことが、日本卓球界を作り上げていくことの第一歩になると思っています。
批判がある人も、それはもっとよくなってもらいたいっていう気持ちの表れだと思うから、みんなで協力して作り上げていきましょうって言いたいですね。
選手は試合に出ていいプレーをすることが第一だけど、プロとしてファンサービスをすることも大事だし、運営陣は一生懸命プレーする選手の思いに応えてほしいし、卓球ファンのみなさんには一卓球人として、それを応援してほしいですね。
T.T彩たまのホームマッチはいろいろ企画していますよ。ダンサーも毎日練習していますし、マスコットキャラクターもいる。試合はもちろんですが、それ以外のところでもお客さんに楽しんでもらえるような準備をしています。
T.T彩たまだけでは1馬力だけど、8チームが同じくらい広報活動、宣伝活動、ファンサービスに力を入れてくれたら、全チームでは8馬力になる。今のままで足りないんだとしたら、今後はそうしていかなきゃならないと思うんですよ。そこはTリーグに関わる者の一人として、他のチームの運営陣にも分かってもらいたいところですね。(終わり)
(取材=猪瀬健治 文=佐藤孝弘 写真提供=Tリーグ)