開幕戦から3試合を終え、全チームと対戦した坂本竜介監督率いるT.T彩たま。初戦こそ木下マイスターに敗れたものの、その後、2連勝と息を吹き返し、全勝の木下マイスターに次いで2位に付けている。タレントぞろいのチームの指揮を取る坂本に、ここまでの戦いぶりを振り返ってもらった。
<第1戦>
木下マイスター東京 3対1 T.T彩たま
◯水谷/松平 7、11 鄭榮植/平野
◯大島 10、6、-9、6 吉村
◯張本 5、7、9 黄鎮廷
水谷 8、-4、-6、7、-11 鄭榮植◯
<第2戦>
T.T彩たま 3対1 岡山リベッツ
○黄鎮廷/岸川 7、7 横山/森薗
アポロニア 7、-7、-9、-9 吉田○
○黄鎮廷 -7、4、7、-7、10 上田
○鄭榮植 10、5、-8、6 森薗
<第3戦>
T.T彩たま 4対0 琉球アスティーダ
○黄鎮廷/岸川 7、5 丹羽/松平
○鄭榮植 6、8、-6、6 荘智淵
○吉村 7、9、9 丹羽
○黄鎮廷 6、8、14 有延
※ダブルスは3ゲームスマッチ、各ゲームの最終ゲームは6対6からスタート
吉村真晴がT.T彩たまのキーパーソン
初戦の(吉村)真晴の出来は5%くらいしか力が出せなかったんじゃないでしょうか。0対2の3ゲーム目で10-8でゲームポイントを取ったところでサービスミスしたのでタイムアウトを取りましたが、そこで「震えてサービスが出せない」という状況でしたから。オリンピックの決勝を経験した選手ですら、そこまで緊張したというのだから、それほどの舞台だったということでしょうね。
琉球アスティーダ戦では、丹羽をストレートで破っていますから、本来の調子であればあれくらいのパフォーマンスはする選手です。チームのキャプテンもお願いしていますが、まとめ役というだけじゃなく、プレーの面でもチームを引っ張っていかないといけないと思っています。
だから、真晴の強化には力を入れている部分はありますね。負けるときは大体が攻めすぎているので、攻守のバランス、守備の時にどれだけ点が拾えるかというところを意識した練習もさせています。真晴は一生懸命で、向上心もあるのでチームのキーパーソンとして期待していますね。
Tリーグのダブルスで生きる岸川の安定感
この試合形式は1番のダブルスがかなり重要です。ダブルスはミスした方が負けですね。開幕戦は結局、うちのレシーブミスで負けました。1対1で6-6からという展開になったときに、チキータの威力がある選手を使ってもリスクが高すぎる。実際に、(水谷)隼と(松平)健太のペアは最後の1本しかチキータしていない。あの初戦のダブルスで負けたときに、ここは手堅くストップできる聖也の出番だなと確信しました。
黄鎮廷とは、もちろん初のペアでそれほど練習はできていませんが、黄鎮廷も安定感がある。試合の中で慣れていくしかないけど、ペアリングとしては悪くないですね。今のところ当たっていますが、対戦相手やそのときのメンバーによって変えていくとは思います。
海外選手にも技術・戦術指導は欠かさずにしている
鄭榮植やティアゴ(・アポロニア)、黄鎮廷にも日本人と同じように、戦術も技術もアドバイスしています。対戦する選手を想定して、こういう練習をした方がいいとか、こう言うところを気をつけた方がいいとか。
たとえば、黄鎮廷は有延がどんな選手か知らないので、戦術は全部自分が教えるし、試合の時だけじゃなくて、こういう風に攻めてくるからこういう練習をしておくようにとか、チームが勝つために自分が伝えられることは全部細かく伝えます。ただ、来てもらって試合してくださいじゃ、いくら強い選手でも勝てないですからね。(第2回 終わり)
(取材=猪瀬健治 文=佐藤孝弘 写真提供=Tリーグ)