試合当日の起床の時間は、試合開始から逆算し、3~4時間前には起きるそうだ。そして、食事を済ませたら、試合開始時刻の少なくともその2時間前には会場入りして、ウオームアップと打球練習をするという。水谷選手は会場での練習について、月刊「卓球レポート」2017年12月号で次のように語っていた。
「会場に着いたら、まず、ウオームアップをします。軽く汗をかくくらいのストレッチ、体幹トレーニング、チューブトレーニングなど、30分くらいかけて体をほぐします。
それから1時間くらいは打球練習をします。この練習は感覚を確かめつつ、フットワークなど少し負荷をかけてやるようにしています。ウエートトレーニングでも1回目より2回目の方が楽ですが、同じ理屈で、試合前の練習で強めの負荷をかけておくと、試合の時に楽に動けます。
対戦相手の戦型によって、それに合わせて練習パートナーを替える選手もいますが、僕はそこにはあまりこだわっていません。対戦相手が左利きの選手のときに空いている左利きの人がいたらお願いするくらいで、あくまで自分の感覚の確認と体を動けるように準備をするのが練習の目的です」
ちなみに、試合前日と当日の食事については、同じく月刊「卓球レポート」2017年12月号で水谷選手はこう語っていた。
(試合前日の食事は)「それほど神経質にはなっていませんが、肉を食べると体が重くなるので、試合前日に肉料理は食べませんね。アルコールももちろん控えます」
「朝食はいつも通りその時にあるものを食べます」
「昼食は、コンビニでおにぎりやパン、サンドイッチなどを用意しておいて、空いた時間に食べるようにしています。サンドイッチは鮮度が落ちやすいので、すぐに食べられない時には買わないようにしています。
できるだけ食べやすいものを用意するようにしていますが、緊張しているときにごはん(おにぎり)は喉を通りづらいので、そういうときはパンの方が食べやすいですね。個人的にはソーセージのパンやカレーパンのようなちょっと油っこいパンの方が緊張しているときでも食べやすいと思います」
【編集部注:油っこいパンの方が食べやすい。異論もあろうが、水谷の感覚はそうなのである】
「飲み物もこれと決めてはいませんが、ペットボトルのお茶、緑茶かブレンド茶が多いですね。試合中に飲むのもお茶か水が多いです」
取材=猪瀬健治 文=川合綾子