2008年4月の『テナジー05』発売から11年、2019年4月にバタフライ(株式会社タマス)は、より高いレベルのプレーへと選手たちを導くべく『ディグニクス05』を発売した。水谷隼、張本智和(ともに木下グループ)をはじめ、すでに多くのトップ選手がこのラバーを使っているが、多くの読者はまだその全容を知らないのではないだろうか。
卓球レポートでは、この秋、ラインアップに『ディグニクス64』『ディグニクス80』を加えたディグニクスシリーズを大特集。開発者、トップ選手、指導者らの声を通して、このラバーの真髄に迫りたい。その嚆矢として、株式会社タマス社長の大澤卓子に「ディグニクス」にかける思いを聞いた。
東京オリンピックでバタフライの最高性能のラバーを使っていただきたい
ディグニクスの発売時期はどのように決めたのですか?
2020年の東京オリンピックで、バタフライの最高性能のラバーを選手の皆さまにお届けするのが、バタフライにとって大事なことだと思いました。2019年の春に発売すれば、2020年のオリンピックでディグニクスを使っていただくチャンスをご提供できると考え、社内のさまざまな議論を経て、2019年4月に「ディグニクス05」を発売するという決断をいたしました。
ディグニクスはどのように開発されたのですか?
バタフライが積み重ねてきた化学的・物理的知見を元に、このような技術を使えば、このような高性能のラバーを作ることができるのではないかという仮説を立てて、技術を重ねた結果がディグニクスになりました。
11月に新たに「64」と「80」がラインアップに加わりました。
生産技術的に3品番を一気に出すことは困難であったため、「テナジーシリーズ」でも評価の高かった「テナジー05」をベースにした「ディグニクス05」を2019年4月に発売するところから始めました。
そして、この秋、「ディグニクス64」と「ディグニクス80」を発売することで、多くのお客様のニーズに応えられるような、幅広いラインアップがそろえられたのではないかと思っています。
これからディグニクスを使うお客様にメッセージを。
トップ選手の間では「テナジー」から「ディグニクス」に移行している選手は確実に増えている状況ですが、性能的な部分で評価をいただいている一方で、まだ多くの選手に迷いやためらいがあるというのも事実です。
ディグニクスはテナジーに優る性能を持っていますが、その性能を最大限に生かすためには、プレーにおいて今までとは異なる技術を身に付けたり、今まで以上に技術を高める必要があるかもしれません。
ディグニクスを使うことは大きなチャレンジになるかもしれません。しかし、使いこなすことができれば、大きなチャレンジに見合った、大きなリターンが得られると確信しています。是非多くの皆さまにディグニクスを使っていただきたいと思います。
まとめ=卓球レポート編集部